新型コロナ「第3波」不安な飲食店 感染防止に「テラス席」寒い冬の使い方
新型コロナウイルスの感染者が急増し、「第3波」ともいわれる心配な状況になっている。飲食店によっては感染防止のためテラス席を提供するが、外で飲食するには寒さがつらい季節になってきた。
今後の対応について、二つの店を取材した。
テラス席設置で売り上げ伸びた
国土交通省は、感染防止や飲食店の継続支援策として、路上にテラス席などを設置しやすくするため、2020年6月に道路占用許可基準を緩和した。期限は11月30日までとされていたが、21年3月末まで延長となっている。
9月の国交省調査によると、約420の地方自治体が導入し、許可件数は約240。その約9割が、11月末以降の措置の継続を希望した。今後も継続してテラス席を提供する意向と考えられる。
一方で、これからは課題となるのは冬の寒さだ。特例措置を用いて、商店街規模で屋外の飲食・販売スペースを用意するプロジェクト「おおみやストリートテラス@一番街」を8月から埼玉県さいたま市で実施している「アーバンデザインセンター大宮」に取材した。担当者は11月11日、冬場の対応について「まだ具体的な寒さ対策は決まっていません」と明かし、こう続けた。
「ヒーターを設置したり、カーテンのような仕切りを利用したりと、基本的には店によって異なります。何か共通してできる対応があればとは思っています」
緊急事態宣言解除直後の6月、7月に比べて、プロジェクトに参加している「大宮一番街商店街」の店舗の半数以上では8月の売り上げが増加したそうだ。これには、テラス席の設置が寄与している。店側からは、冬以降のテラス席継続を希望する声がほとんどだという。
使い捨てカイロや膝掛け配布考える店も
大阪府堺市の飲食店「イタリアン酒場Bitte」の店長・葭本(よしもと)洋佑さんはJ-CASTトレンドの取材に、新型コロナウイルスの影響により今年4月に休業し、営業再開に合わせて5月からテラス席を用意したと説明した。店の隣には警察署と消防署がある。交通への影響を考慮し、公道ではなく、敷地内に2台分ある駐車場のうち1台分を利用して席を設置している。
感染対策や、屋外での飲食を楽しみたいという考えから、予約段階でテラス席を希望する客も増えている。店側も席数を増やしたい思いがあり、屋外席の提供を継続する。利用者には、冬場には使い捨てカイロを配布するという。
「囲いを付けて暖かい空間を作ろうとしても、結局コロナ対策になりません。冬場は膝掛けや使い捨てカイロ、あとは店内の暖房器具を足元に置いて利用してもらおうと考えています」