コロナ禍で「タッチ決済」需要拡大 アメックス「キャッシュレス決済についての意識調査」
新型コロナウイルス感染拡大を受け、専用端末にクレジットカードをタッチすると支払いが完了する「タッチ決済」需要が高まっている。クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレス・インターナショナル(東京都杉並区)が実施した「キャッシュレス決済についての意識調査」の結果だ。
同調査は全国の一般生活者1000人、およびレジ業務従事者300人(店舗関係者)が対象。6割超が「クレジットカードのタッチ決済を今後利用・導入したい」と回答した。
少額支払いでクレジットカード利用「気まずい」
同社は発表資料で、国内でのキャッシュレス決済の拡大には「少額支払いにおけるキャッシュレス決済の更なる普及が鍵」としている。ただ、一般生活者1000人の中には少額支払いでサイン・暗証番号式「クレジットカード」を使う時、「気まずいと感じる」人が55.3%おり、最も多い理由が「支払いの時間がかかってしまうから(67.3%)」だという。
では、どんな支払い方法なら時間がかからず、簡単だと考えているのか。同じ1000人が(1)QRコード・バーコード式、(2)サイン・暗証番号式、(3) ICカードに多い非接触型の「タッチ方式」の三つから一つ、あてはまるものを選んだ。「支払い時にもっともスピーディー」なのは「タッチ方式」(60.3%)、「支払いがもっとも簡単」なのも「タッチ方式(60.4%)」という結果になった。
新型コロナウイルス感染問題も、「タッチ決済」の利用意向増進に一役買っているようだ。コロナ禍での買い物における「支払い方法」に変化を感じている人が出てきている。一般生活者1000人を調査すると「現金」は約3割が「利用が減った(28.4%)」のに対し、QR コード・バーコード式「スマホ決済(48.0%)」、サインや暗証番号入力の「クレジットカード(25.2%)」、タッチ式「クレジットカード(25.0%)」はそれぞれ利用が増えている。
「タッチ決済」に絞って「利用したいか」を質問すると、同1000人中623人が「利用したい」と答えた。理由は「かざすだけで簡単に決済できる(60.5%)」に次いで、「店員との接触機会が少ないので感染リスクを抑えられる(47.8%)」となった。衛生面での安全性が「タッチ決済」の強みととらえている人が多いようだ。
店側も感染リスク抑えたい
店舗関係者の考えはどうか。現在、タッチ決済可能な端末が導入されてない店舗関係者に導入意向を聞くと、65.8%が導入したいと回答。理由は、多く挙げられた順に「決済にかかる時間が短縮できる(74.5%)」、「お客様との接触機会が少ないので感染リスクを抑えられる(60.2%)」となっている。現金やカードを受け取る側も、接触はできるだけ避けたいようだ。
また、コロナ禍での会計時に「現金の受け渡しによる感染リスク」を不安に感じる一般生活者は50.9%、店舗関係者は58.3%いたことから、同社は、
「利用者以上にクレジットカードのタッチ決済の速さと衛生面での安全性を高く評価している」
と分析している。