皮が破裂した「かぼちゃまんじゅう」 廃棄寸前がひと工夫で超かわいくなった

   和菓子店「菓子処六味庵」(山形県南陽市)の「かぼちゃまんじゅう」。2020年10月から販売している期間限定商品だ。クリーム色の薄皮のまんじゅうには口と目が付いていて、ハロウィーンのカボチャのランタンみたいになっている。ツイッター上で「かわいい!」と話題だ。

   しかし、同店の公式ツイートによると、この商品は実は破棄する予定だった。六味庵の製造担当者に、内幕を聞いた。

柔軟な発想が生んだハロウィーン仕様の「かぼちゃまんじゅう」(画像は菓子処六味庵の提供)
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「目を付けてハロウィーン仕様にしてみたら」

   「かぼちゃまんじゅう」は、中のかぼちゃあんがカスタードクリームのように柔らかい点が特徴。とても繊細なまんじゅうで、あんの固さや蒸気の加減で破裂してしまうこともあるそうだ。今回ツイッターに投稿されたまんじゅうは、あんが柔らかすぎ、かつ蒸気が強すぎたため割れてしまったものだった。

   失敗作をどうするか。破棄するしかないのかと悩んでいたところ、広報を務める製造担当者の妻が「目を付けてハロウィーン仕様にしてみたら」とアイデアを出した。割れた部分を口に見立て、黒ゴマで目を付けて販売することに。すると、思いがけずかわいい商品が生まれた。

   1個120円(税込)で販売している。これは、通常の割れていないかぼちゃまんじゅうと同価格だ。今回話題となった「破裂品」は、20年10月27日の販売分で終了する。次はいつお目にかかれるか、分からない。

「失敗が呼んだ奇跡といいますか...」

   六味庵の製造担当者が20年10月26日、カボチャのランタンに変身したまんじゅうが誕生するまでの一連の流れをツイッターに投稿すると、大きな反響が寄せられた。

「着眼点が素晴らしいですね」
「これぞ日本人的な、もった(い)ない精神!」
「素晴らしい発想だなぁ〜そしてそれを受け入れる職人さんも柔軟で素敵」

   これについて、

「失敗が呼んだ奇跡といいますか...」

と担当者。想像以上に反響が寄せられたことから、

「今後製造工程で失敗したとしても、『これだめだ』で終わらせずに何か別のかたちで活用できないか、アイデアを出していきたいです。今回は良い勉強になりました」

と話した。

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