京都河原町「浄教寺」と一体型のホテル 寺の趣を感じる落ち着きの空間
京都の街中に、浄土宗の寺「浄教寺」との一体型ホテルが誕生した。
三井不動産が2020年9月28日に開業した「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」だ。J-CASTトレンドの記者は、オープン間もない20年10月9日に宿泊体験をした。
ロビーに小さなガラス窓、のぞくと...
阪急京都本線「京都河原町駅」から徒歩約1分と、立地の良い場所にホテルはある。街中だが、通りを1本入ったロケーションで周辺は静かだった。
浄教寺に隣接し、館内に一歩入るとお香の香りが漂う。高さ7メートルのロビーには独特な音楽が流れ、落ち着いた雰囲気だ。案内してくれた同ホテルの総支配人によると、「おりん」の音やほうきで掃く音などを取り入れたオリジナルのサウンドだという。到着早々、心が安らいだ。
ロビーには小さなガラス窓があり、のぞけばきらびやかな本堂が見える。さらに、かつて浄教寺で使用されていた装飾品を利用して壁画アートとして設置、寺の古木を柱として再利用するなど、ホテルの随所に寺の歴史に触れられる仕掛けがある。200年近く前の装飾もあったが、違和感なく溶け込んでいた。
客室数は全167室。畳を用いた和室タイプ、3人で利用できるトリプルタイプなどがある。記者は、「モデレートクイーン」タイプに宿泊した。室内は白と黒を基調としたシンプルなつくりだ。ただ、「手水鉢」から着想を得たという洗面台や、浄教寺の象徴である燈籠をモチーフにした照明と、寺の趣を感じられるデザインが施されている。落ち着いた空間で、朝までぐっすり眠れた。
宿泊者限定で「朝のおつとめ体験」
寺との一体型ホテルならではのイベントも。宿泊者限定で朝6時50分から、隣接する本堂で「朝のおつとめ体験」ができる。この日、早朝にも関わらず男女約20人が参加しており驚いた。厳かな雰囲気の中、住職の読経が始まると参加者は順に焼香。読経後は住職が参加者の無病息災や、先祖の供養を祈願し終了。記者も、不思議と清らかな気持ちになった。
住職の光山公毅氏は取材に対し、おつとめでは新型コロナウイルスの終息も祈念していると話した。「(コロナの情報に)過敏になりすぎず、いつか必ず終わると思いながら過ごしてほしい」と、アドバイスをくれた。
おつとめ体験の後はホテル内のレストランでこだわりの「朝食」が楽しめる。メインは3種類から選べ、記者は「天ぷらと鯛茶づけ」をチョイス。コメは京都丹波産のコシヒカリを使用。そのほか生麩やだし巻き、焼き魚、京漬物など、京都の味覚を存分に味わえる。どれも優しい味わいで、色鮮やかな配膳と十分すぎるボリュームに大満足の内容だ。
こちらは福岡県のディー・ディー・カンパニーが運営するレストラン「僧伽小野京都浄教寺」で、宿泊者でなくても利用できる。昼食と夕食にはまた違ったメニューが提供されているとのことだ。