免許センター「不便な立地」の謎 中心部、最寄り駅から遠いのは事情がある
運転免許センターの立地が悪くて行くのが大変──。実際に訪れてみて、こう思った人は多いようだ。インターネット上ではしばしば「免許センター立地悪すぎ」「立地とアクセスの悪さどうにかして」と、不満があがっている。しかも、全国各地からだ。
なぜ、免許センターはアクセスの不便な場所にあるのか。J-CASTトレンドは国内3か所の免許センターに話を聞いた。
埼玉、岡山、京都の免許センターは同じ答え
まず問い合わせたのは、埼玉県鴻巣市にある埼玉県警察運転免許センターだ。県最大のさいたま市のJR浦和駅から、最寄り駅である鴻巣駅までは高崎線で約25分。そこから現地まではさらに徒歩で約25分か、バスで約10分の場所にある。取材に応じた埼玉県警察本部運転免許課の担当者は、立地についてこう説明した。
「免許センターは、建物はもちろん、試験をするためのコースなども確保しなければならず、それなりに広い敷地が必要です。また、県内各地から利用者が訪れやすいように県の真ん中に位置し、ある程度交通の便も良くなければいけない。だから、県の中央に位置する広い土地で、かつ近くを国道17号が通っている鴻巣が選ばれたのだと思います」
次に、岡山市北区の御津(みつ=旧・御津町に当たる地域)にある岡山県運転免許センター。JR岡山駅からバスで約35分、最寄り駅のJR津山線野々口駅からはバスで10分弱の場所に位置する。岡山県運転免許課次長の原田和泉さんは、「広い敷地が必要」「県の中央が望ましい」と埼玉県と同様の理由を挙げた。「たしかに徒歩やバスでは不便かもしれない」としつつ、国道53号沿いにあることから「車で来る場合は便利な立地」と話した。
また、京都市伏見区にある京都府自動車運転免許試験場は、JR長岡京駅が最寄り駅。京都駅からは快速電車で12分と比較的近いが、長岡京駅からはバスで約20分の免許センターだ。京都府警察運転免許課次席の桂光良さんも、「資料などがないのではっきりとは分からない」とした上で、やはり埼玉、岡山と同様の理由を挙げた。
一見不便な場所にあるようだが、住民全体の利便性を考えての立地と考えられそうだ。