プロ野球コーチ「くも膜下出血」働き盛りで 星野源、「globe」KEIKOは30代に発症

   プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの3軍コーチ、川村隆史氏が、2020年9月16日に遠征先の神戸市内で、くも膜下出血で死去した。55歳だった。

   50代半ばと働き盛りの年齢だっただけに、ツイッターでは「まだ若いのに」、「くも膜下出血ってそんなに危ないの?」との驚きが広がっている。くも膜下出血は、比較的若くても起こる可能性が十分にある病気だ。

くも膜下出血は若い人でも起きる病気(画像はイメージ)
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頭を殴られたような突然の激しい頭痛

   くも膜下出血は、脳を覆っている髄膜の内側の層「軟膜」と中間層「くも膜」との間にあるすき間「くも膜下腔」の出血することで起きる。

   名古屋市立東部医療センターのウェブサイトによると、発症するのは男性よりも女性に多い。年齢では、40歳以降に多く見られ、年齢とともに増加する。頭を殴られたような突然の激しい頭痛、意識がもうろうとする、おう吐やモノが二重に見えるなどの症状がある。

   著名人では、2010年に読売ジャイアンツの木村拓也コーチが、くも膜下出血により37歳で亡くなっている。翌11年には、音楽グループ「globe」のボーカル・KEIKOさんが39歳で発症し、緊急搬送された。

   シンガーソングライターの星野源さんも12年、31歳で発症したが、9か月後に完治した。星野さんは以前雑誌で「脳の動脈に慢性的な動脈瘤があり、そこからの出血だと言われた」と明かしている。さらに、タレントのSHEILAさんも19年に46歳で発症し、緊急手術を受けている。

喫煙、大量飲酒、高血圧も要因に

   鶴巻温泉病院の公式サイトの説明によると、くも膜下出血は中年以上の人は脳の動脈にできた「脳動脈瘤」、中年以下の若い人は生まれつき持っている「脳動静脈奇形(AVM)」が破裂し、出血することが主な原因として考えられる。

   発症するとおよそ3分の1の人が死亡し、3分の1が障害を残すが、残り3分の1の人は元気に社会復帰することができるそうだ。ただ、最初の出血で意識障害が強い場合は死亡や、回復の見込みが立たない「遷延性意識障害」を伴う例が多い。

   また、脳動静脈奇形とは何か。昭和大学病院の公式サイトによると血管の病気で、先天性異常と考えられている。多くが10~30歳代で発症し、一般的には男性の方が多いとされる。

   そのほかにも、くも膜下出血には複数の危険因子があると考えられている。一般的には、喫煙、大量飲酒、高血圧、血縁者にくも膜下出血を起こした人がいる「家族歴」などが挙げられる。

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