新「iPhone」は5G対応モデルか でも日本の「5Gサービス」普及どこまで
米アップルの「iPhone」新モデルが、間もなく発表されるようだ。米国時間2020年9月15日10時(日本時間16日2時)、同社は新製品発表会を開く。複数の国内メディアはこの場で、第5世代移動通信システム(5G)に対応するiPhoneが発表される見通しだと報じた。
5Gは、現行の通信規格「4G」よりもさらに向上した通信速度を実現する移動通信システム。国内でもすでに数社の大手携帯会社がサービスを開始しているが、現状はどうなっているのか。
対応端末持ってない、そもそもよくわからない
NTTドコモ(東京都千代田区)公式サイトによると、5Gの導入によって高速で大容量のデータの送受信が可能になる。さまざまな視点からの映像を選択できるマルチアングル視聴やVR(仮想現実)のような臨場感のある3D映像が実現できる。また、ゲームのオンライン対戦などで生じるタイムラグを大幅に軽減したり、家庭にある数多くのデジタル家電やセンサー類をネットワークに繋げたりも可能とのことだ。
NTTドコモ広報の担当者に取材すると、「2020年3月25日から5Gのサービスを開始」したと回答。KDDI(au)は同3月26日、ソフトバンクも同3月27日からサービスを提供している。一方で楽天モバイルは、現時点ではまだ5Gサービス自体を始めていない。
J-CASTトレンドは20~40代の男女4人に、5Gへの関心度を取材した。まず、「5G対応の端末を持っているか」という質問には、4人とも「持っていない」と回答した。
続いて、「5G対応機種に興味はあるか」という質問。20代男性は「興味はあるし、できるなら手に入れたい」、40代男性は、興味はあるものの「活用するのはまだ先になりそう」とそれぞれ答えた。20代女性は、「どちらかと言えばある」としつつ「そもそも5Gについてまだよく知らない」。また、30代女性は「何ができるかよくわからないし、4Gのままでも不便はないのであまり興味はない」と答えた。
「まだまだ『普及』とはいえないレベル」
NTTドコモ広報の担当者に聞くと、5G対応のスマートフォン(スマホ)は20年9月時点で、全部で6機種あると説明した。KDDI(au)では9機種、ソフトバンクでは4機種だ。
2020年9月11日午後、記者は東京都内の大型家電量販店のスマホ売り場に足を運んだ。目立つ場所に5G対応機種のコーナーがあった。ただ、立ち止まって機種を手に取る客はほとんどいなかった。周囲に控えていたスタッフも積極的に5G対応機種を宣伝することはなく、それほど大々的に売り出されている印象は受けなかった。
現状で5Gサービスエリアは、各社とも駅周辺やそれぞれの携帯ショップ周辺など、範囲が限定されている。
「まだまだ5Gの広がりは『普及』とはいえないレベルです。国内ではまだ全人口のほんの数%の人々にしか使用されていないと思います」
ドコモ担当者は、こう話す。5Gの普及が進めば、いずれは重機の遠隔操作や、危険地域での無人機のリアルタイム操作なども実現できると述べた。ただ、現状ではまだスマホやパソコンで高画質の動画をスムーズに読み込んだり、リモートでのスポーツ試合を限りなくリアルタイムで観戦したり、といった個人レベルでの活用が主なものだと説明した。