米カリフォルニアで大規模な山火事 日本でも年間1300件、その原因は
米カリフォルニア州で、大規模な山火事が発生している。「NHK NEWS WEB」2020年8月26日付記事によると、東京都の面積の2倍以上にあたるおよそ50万ヘクタールが延焼し、これまでに7人が死亡、建物の被害はおよそ1400棟にも及んでいる。
日本は地震や台風、豪雨といった「災害大国」だが、山火事も毎年相当な数発生している。
3年前に釜石で住宅地にまで炎
林野庁は公式サイト上で、日本の山火事情報を公開している。2014年から18年の5年間で、平均して年に1300件程度の山火事が発生している。1日あたりに換算すると、全国で毎日約3件のペースだ。
近年、大規模だった山火事には、次のようなものがある。まず、2002年4月に岐阜市で発生した権現山一帯での森林火災。発生から27時間で、約410ヘクタール(東京ドーム約87個分)が延焼した。1160世帯、3613人に避難勧告が出されたが、幸い死者は出なかった。
東京都三宅村では12年11月に156ヘクタールが延焼し、85世帯に避難勧告が発令された。また、岩手県釜石市で17年5月に発生した山火事では、400ヘクタール以上が焼けた。炎は住宅地にまで広がり、136世帯に避難勧告が出された。
カリフォルニアの山火事は落雷のようだが
複数の報道によると、米カリフォルニア州の山火事の原因は、自然現象である落雷と推測されている。一方で、日本で山火事が起きた際、その原因の多くは気候や自然現象ではなく「人の不注意」だ。
林野庁によれば、14年から18年に発生した山火事の原因は、「たき火」が29.9%と最も多かった。その後「火入れ」(17.1%)、「放火(疑い含む)」(9.3%)、「たばこ」(5.3%)と続いており、どれも原因は人間だ。逆に、日本では落雷などの自然現象が原因になることは、まれだという。
山火事のほとんどが人のちょっとした火の取り扱いの不注意で発生していることから、同庁は「枯れ草等のある火災が起こりやすい場所ではたき火をしない」、「火気の使用中はその場を離れず、使用後は完全に消火する」、「たばこは指定された場所で喫煙し、吸いがらは必ず消すとともに、投げ捨てない」と注意喚起している。