涼し気な木陰、実は日なたと気温変わらない 場所を問わず熱中症対策を
連日猛暑が続いている。総務省消防庁が公開している熱中症の救急搬送データによると、2020年8月3日~9日までの1週間で、全国で6664人が医療機関に運ばれた。また、8月18日付の「NHK NEWS WEB」記事によると、8月に入ってから東京都では79人が熱中症で死亡している。
ツイッターには「熱中症に気をつけて外では木陰にいる」「木陰のほうがまだ涼しい」といった書き込みも見られる。ただ、木陰にいれば安心というわけではない。
木陰を歩いていたのに熱中症に
環境省が公式サイトで公開している「猛暑に対する街なかでの対応方策について」によると、日なたの交差点と、木陰のある交差点では、日なたのほうが路面の表面温度が20度も高かった。これは、日なたでは頭上からの日射に加え、50度近くに高温化した歩道や車道からの放射熱が足元を包み込むためだ。
しかし、実は日なたと木陰で気温自体は変わらない。前述した日なたと木陰ありの2つの交差点の気温は、両方とも約30度だった。路面の表面温度の違いから考えると、意外と言えるかもしれない。実際にツイッターには「水分補給もしてたしなるべく木陰歩いていたにも関わらず熱中症で今寝ています」といった書き込みがあった。木陰だからといって油断は禁物なのだ。
J-CASTトレンドが環境省に取材すると、担当者は「日なたや木陰に関わらず、暑さのレベルをみながら十分に対策を取ってほしい」と話した。こまめな水分・塩分補給、日傘をさす、涼しい服装を心がけるなど、場所を問わず心がけたい。
「暑さ指数」を確認しながら予防を
環境省では、熱中症予防情報サイト上で、各地の「暑さ指数」を掲載している。気温によって熱中症の警戒レベルが異なり、31度以上になると「危険」なレベルだ。これは全ての生活活動で熱中症が起きる危険性があることを示す。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する、運動は中止するなどの措置が必要だ。
同省の担当者は改めて「連日暑い日が続いていますので、暑さ指数と熱中症警戒アラートを確認しながら、熱中症にはくれぐれも注意してお過ごしください」と警戒を呼びかけた。