夏の帰省、実家の近さによって考えに差 「感染広げたら怖い」けど顔を見たいジレンマ
2020年も8月に入った。例年であれば帰省や旅行の話題で盛り上がる時期だが、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえると今年はそうもいかない。しかし、家族に会いたい気持ちがある人は多いだろう。
「しない方が良いってのは分かってるけど、お盆帰省するか悩む...」
こうした悩みが、ツイッターにいくつも上がっている。
ゴールデンウィークも夏休みも我慢続きでつらい
J-CASTトレンドは、実家から離れて暮らす男女7人に「今年の夏は帰省するか」聞いた。このうち帰省すると答えたのは2人で、いずれも現在の居住地と実家が近い場所にあった。
「2、3日帰省する予定」と答えた埼玉県に住む女性は、実家も同県にある。「同じ県内だし、移動する分には良いかな、と」。都内在住で、実家が千葉にある男性も帰省予定だ。ゴールデンウィークも帰れず、さすがにそろそろ直接親の顔を見たい、と話した。
神奈川県に実家があり、現在都内に住む女性からは、こんな回答が。
「帰省はしませんが、なぜか親が家に来る予定です」。
一方、「帰省しない」と答えた残りの4人は、東京、千葉、埼玉、神奈川の首都圏在住で、全員が地方出身だ。
兵庫に実家がある女性は、「高齢の家族にうつす可能性を考えると怖いため、感染者が多いうちは帰省しないと思う」とした。実家が島根の女性も、「自分がもし感染を広げたら」と思うと怖いという。京都に実家がある女性は、「帰りたいけど移動距離が長いから怖い。ゴールデンウィークも夏休みも我慢で辛い」と明かした。代わりに3人とも家族に電話をする予定とのことだ。
地方出身者の帰省に文句言うのは「おかしい」
宮城が地元の男性は、電話で家族と連絡を取る予定だが、「親がちゃんと生きているか、電話越しでは伝わりづらい。でも、東京から地方に出るのはやはりリスクが高い」と、もどかしい様子だ。
ただ、地方出身者が帰省することに文句を言うのは「おかしい」と話す。
「同居していたり、実家が居住地と近い人が、地方出身者の行動に口を挟むのはどうかと思う。彼らは帰省しても『同居しているから』『近所だから』という理由で世間的にはとがめられないが、これが地方出身者だとバッシングに変わる」
さらに「同じ国内に住んでいて、家のある場所が違うだけなのに」と、吐露した。
LINE(東京都新宿区)が運営するリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」が8月4日に結果を公表した「今年の夏休みの帰省事情」に興味深いデータがある。全国の15~59歳の男女を対象としたもので、調査全体での有効回答数は5252。
「今年の夏休みに実家に連絡や訪問する予定はありますか」との質問に対し、普段、長期の休みなどに実家に帰省することがある3042人のうち44%が「帰省する予定」と回答した。また、帰省はせず「電話をする」(15%)、「LINEでメッセージを送る」(13%)、「ビデオ通話をする」(8%)といった方法で家族と連絡を取るのみに留める人も見られる。
帰省する・しないにかかわらず、悩ましい夏休みになりそうだ。