新型コロナに続いて「新型ブニヤウイルス」が怖い 媒介する「マダニ」対策どうすれば
中国で、新たに「新型ブニヤウイルス」というウイルスの感染者がいたとわかり、話題になっている。2020年8月4日午後のテレ朝newsの報道によると、中国国内における同ウイルスの感染者はすでに60人が確認されているほか、7人が死亡しているという。
このウイルスはマダニを媒介とする感染症だ。ほかにもマダニは様々な感染症を媒介している。その生息場所や対策についてまとめた。
肌の露出を抑える、忌避剤を使用する
国立感染症研究所(東京都新宿区)公式サイト上にある昆虫医科学部の資料によると、マダニは世界中で800以上の種が知られており、うち日本には47種が生息している。「シカやイノシシなどの野生動物が出没する環境」や、「民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道など」が生息場所だ。種類にもよるが、マダニの多くは特に春から秋(3月~11月)にかけて活発に活動するという。
マダニは刺すというより、咬みつくため肌を露出しないことが大切だ。草むらなどに足を踏み入れる際は、長袖、長ズボンの服装が好ましい。そのうえでシャツの袖口は軍手や手袋の中に入れ、ズボンの裾は長靴に入れるか靴下を被せるなど、肌を極力さらさないようにしたい。また、自宅に帰った後も上着や作業着は家の中に持ち込まない、シャワーや入浴でマダニが付いていないかチェックする、といった防止策が有効だ。
このほか、忌避剤(虫よけ剤)を使用する方法もある。昆虫医科学部資料によれば、2013年から新たにマダニに対する忌避剤が認可され、現在は「ディート」と「イカリジン」という2種類の有効成分のものが市販されているとのこと。ただし、あくまでマダニの付着数を減らすだけで完全に防げるわけではないので、過信は禁物だ。
10日以上にわたり吸血し続けることも
同資料によると、マダニは長い場合で10日以上も吸血することがある。吸血中のマダニを無理に取り除こうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残り化膿する可能性もあるという。万が一マダニに咬まれてしまった場合は、皮膚科などの医療機関で適切な処置を受けるのが望ましい。
また、咬まれてから数週間程度は体調の変化に注意し、発熱などの症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて欲しいと勧めている。