上皇さま「ハゼ新種」発見報道 生物分野に水問題、皇族方の多様な研究成果
2020-07-14 02:00:44
上皇さまが南日本に生息するオキナワハゼ属の新種を発見されたと、読売新聞が2020年7月14日に報じた。
記事によると上皇さまによる新種発見は9種目で、03年以来17年ぶり。宮内庁のウェブサイトには「日本魚類学会の会員として、昭和38年から現在までに29編の論文を同学会誌にご発表になっています。その他、(中略)4編の論文を併せて,33編の論文をご発表」とある。
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秋篠宮さまはタイ、ラオス、中国雲南省で実地調査
ハゼ研究者として知られる上皇さま。論文以外にも「小学館の図鑑Z 日本魚類館」(平成30年・ハゼ科チチブ属のシマハゼ類とチチブ類の項目)の執筆も担当している。
上皇さまだけでなく、皇族方はさまざまな分野で優れた研究実績を残している。
秋篠宮さまは、上皇さまと同じ生物の分野だ。人とそれ以外の「生き物」との関係に強い関心を持ち、研究をしている。生き物をめぐる豊かな智と情報の発掘を目指す「生き物文化誌学会」立ち上げへの参加をはじめ、「欧州家禽図鑑」、「鶏と人―民族生物学の視点から」、「ナマズの博覧誌」の刊行に携わってきた(宮内庁サイトより)。神奈川県にある新江ノ島水族館の公式サイトには、以下の紹介文が掲載されている。
「タイ、ラオス、中国雲南省などに足を運ばれ、調査活動に従事されました。メコン河の固有種である世界最大級の『プラー・ブック』とよばれるオオナマズをはじめ、ナマズをめぐる漁業や食文化、説話、保護などについて、幅広く研究してこられました」
同サイトには、昭和天皇が1929(昭和4)年から始めたヒドロ虫類の研究に関する記述もある。
「採集は葉山御用邸付近の相模湾の浅瀬と沖合いで行われ、(中略)採集にはヒドロ虫類が磯や海底の岩に付着する生物であるため、水深300mまでの海底ドレッジを使いました。陛下ご自身で調べられたヒドロ虫類の御著書は9冊です」
水問題で数々の講演を行う天皇陛下
天皇陛下は水問題への造詣が深い。宮内庁のサイトによると、各国で開催される多くのフォーラムやシンポジウムで基調講演を行っている。以下は最近の活動の一例だ。
・国連「水と災害に関する特別会合」で基調講演「人と水災害の歴史を辿る-災害に強い社会の構築のための手掛かりを求めて-」/2013(平成25)年3月
・国連「水と災害に関する特別会合」で基調講演「人と水とのより良い関わりを求めて」/2015(平成27)年11月
・第8回世界水フォーラム「水と災害」ハイレベルパネルで基調講演「繁栄・平和・幸福のための水」/2018(平成30)年3月
また2019(平成31)年4月には、水問題についての講演の記録を収載した「水運史から世界の水へ」を刊行した。