新型コロナで入居者から家賃の相談 家主の6割以上が減額や支払い猶予受け入れ
賃貸経営情報誌「オーナーズ・スタイル」を発行するオーナーズ・スタイル(東京都中央区)は、「新型コロナウイルス感染拡大が賃貸住宅の大家さん、入居者へ与えている影響」に関する調査を実施。2020年6月2日に結果を公表した。
調査から、入居者からの減免要請を6割の家主が受諾、また、入居者に助成金制度を紹介するケースも多数あるなど、コロナ禍で柔軟に対応する姿がみえた。
「今解約されても次の入居者がいるかどうか不安」
調査対象者は、「オーナーズ・スタイル」のメールマガジン読者で、主に賃貸住宅を所有し賃貸している家主458人から回答を得た。
まず、「コロナの影響でご自身の物件の入居者やテナントから、家賃の滞納や、交渉・相談、もしくは退去の通告などが発生していますか?」という質問。30.3%が「あった」と回答した。そのうちの134人に何月分の家賃からか尋ねたところ「4月分から」(45.5%)が最多で、「5月分から」(33.6%)と続いた。ちょうど緊急事態宣言の発令で、自粛期間に入っていた時期だ。
次に、交渉・相談・通告などの内容について。一番多かったのが「家賃の減額」(48.5%)だ。次に「退去の通告」(35.1%)、「家賃支払い猶予」(25.4%)だった。また、15.7%が実際に「家賃の滞納・未払い」があったと答えている。
家賃の減額や支払いの猶予など、入居者からの要望に対して、家主の6割以上が「要請を受諾した」(60.2%)と回答。要請を受け入れなかったのは20.7%だ。さらに、受諾しなかった家主の半数以上は、家賃補助や住居確保給付金の申請を入居者に勧めるなど、入居者へ対応していた。
家主たちが新型コロナの影響で困っていることについては、「空室の長期化」(38.1%)、「家賃の滞納」(35.6%)などが挙がった。自由記述では「空室問い合わせの動きが非常に悪い」、「今解約されても次の入居者がいるかどうか不安」、「4月退去の部屋が空室になっており、埋まらない。このままだと、賃料を下げて募集しないといけないかもしれない」など、不安の声が並んでいた。