東京「コロナショック」で就職に大逆風 娯楽、飲食、宿泊業は4月の求人5割減
2020-05-29 08:00:00
緊急事態宣言が解除されたが、新型コロナウイルスが雇用に与えた影響は大きい。
東京労働局の職業安定部職業安定課職員は2020年5月29日、J-CASTトレンドの取材に対し、都内各公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の近況について「通常とかけ離れている」と語った。
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パートは求人・求職ともに厳しく
同局が5月29日に公表した「一般職業紹介状況(令和2年4月分)」によると、新規求職者数は3万6818人。前年同月比で20.1%減だ。一方「新規求人数」は6万8961人で同 42.6%減となっている。就職件数は 4793 件(同52.3%減)、その内訳はパートタイム以外の就業形態である「一般」が2720 件(同 49.3%減)、パートが2073件(同 55.6%減)。ことごとく前年同月比減という結果だ。東京労働局の職員は3月、4月の概況について、こう話した。
「緊急事態宣言の影響で企業側は『求人を出したくても出せない』、働き手は『求職したくても動くに動けない』と、双方共に難しい状況でした。特に女性や、年齢層の高い男性が担い手となることが多いパートについては求人・求職、全般的に落ちています」
求人「様子見」の企業もある
業種別で、特に新規求人数が減っているのはどの産業か。前年同月比で以下の通りだ。
・生活関連サービス業、娯楽業(55.0%減)
・宿泊業、飲食サービス業(54.8%減)
・製造業(52.9%減)
・卸売業、小売業(44.9%減)
・サービス業(36.6%減)
・医療、福祉(36.1%減)
・情報通信業(34.1%減)
・運輸業、郵便業(30.9%減)
・建設業(30.2%減)
外出自粛の影響で利用者が激減している「生活関連サービス業、娯楽業」、「宿泊業、飲食サービス業」の減少幅が5割を超えている。
ただ前出の職員によると、緊急事態宣言解除前から、求人に対して前向きな姿勢を見せる企業が増えてきており、「同じ産業でも『とにかく今すぐに人手が必要』という企業、『ひとまず様子を見よう』という企業など、考え方がそれぞれ異なる」という。
なお、総務省が5月29日に発表した4月の全国の完全失業率は2.6%で、2か月連続の悪化となった。