「アベノマスク」使わないなら寄付しては 子どもやホームレスの助けになる
新型コロナウイルス対策として、政府から全世帯に2枚ずつ配られる布マスク。すでに一部の世帯には届いているようだが、ツイッターを見ると「いらない」「使わない」といった声が挙がっている。
そこで、使わない布マスクを、必要としている人たちに寄付しようという動きも。ツイッター上ではマスク寄付の募集や届け先を紹介する投稿が見られる。J-CASTトレンドは、寄付を募っている複数の団体に、2020年5月8日時点での状況を電話取材した。
「寄付をしてくださった皆さんには本当に感謝」
ホームレスの支援団体「新宿連絡会」(東京都新宿区)は2020年4月下旬から、公式サイトで政府支給の布マスクをはじめ不要なマスクの寄付を送料元払いで呼びかけている。
代表の笠井和明さんによると、「今後も継続的な寄付を募っていくつもり」としつつ、「マスク不足に困窮しているという状況にはなっていません。寄付をしてくださった皆さんには本当に感謝です」とのことだ。
秋田市通町商店街振興組合(秋田市)では、4月下旬から商店街の各店舗が窓口となりマスクを募った。集めたマスクを、保育所・保育園や特別養護学校など、必要とする地域施設に送る活動をしている。寄付されたマスクの配布状況などは、公式フェイスブックで報告している。こちらも送料元払いとのこと。
主に秋田市内からマスクが届けられており、組合担当者は寄付への協力の感謝を述べるとともに、「これからもよろしくお願いしたい」と話した。
「子どもたちにお譲りいただけないでしょうか」
子どもたちへの支援活動を行うNPO法人「絆プロジェクト2030」(東京都渋谷区)は、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害を受けた子どもたちの避難先のシェルターへ向けたマスクを募っている。
「100人くらいでも寄付をしてくれればいいと思っていました」
と話すのは、理事長の永野秀樹さん。「実際には1500人以上の方から、3000枚を超えるマスクが送られて来ました。皆さんのご厚意に感謝しています。今後も定期的に寄付をしていただけると助かります」と話した。
国立国際医療研究センター国府台病院(千葉県市川市)は2020年4月27日付で、ウェブサイト上に「あなたのマスクが子どもを守る」と題したマスク寄付の依頼を出した。政府支給のマスクと思われる画像を掲載し、
「支給された布製マスクを使用する予定のない方がおられましたら、千葉県内の児童相談所に保護された子どもたちや、児童福祉施設に入所している子どもたちにお譲りいただけないでしょうか」
と呼びかけている。
特定非営利活動法人HERO(宮城県仙台市)も、同様の寄付を募っている。
(5月12日18時45分追記)
国立国際医療研究センター国府台病院の担当者は5月12日、J-CASTトレンドの取材に対し、
「マスクのひっ迫状況については、厳しい状態が続いています。子どもたちの感染予防にご協力頂ければと存じます」
と現状を訴えた。