新型コロナウイルスは不安、偏見を「感染」させる 「負の連鎖」断ち切るガイド
日本赤十字社は2020年3月26日から公式サイト上で、イラスト付きのガイド「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」を公開している。
新型コロナウイルスがもつ3つの特性を、病気そのものを含め「感染症」と表現。その感染の連鎖を断ち切るために我々はどうすれば良いのかが、イラスト付きでわかりやすく説明されている。
差別がウイルス拡散を招く恐れ
日赤によると、3つの「感染症」とは「病気そのもの」、「不安と恐れ」、「嫌悪・偏見・差別」だ。これらが「負のスパイラル」としてつながることで、更なるウイルス自体の感染拡大を引き起こしているという。
まず「病気そのもの」。新型コロナウイルスに感染すると、風邪の症状や時には肺炎を引き起こすこともある。2つ目は、「不安と恐れ」。ウイルス自体目に見えず、感染しても現在のところ有効なワクチンや薬はない。まだ不明な点が多く、強い不安や恐れを感じてしまうことがある。3つ目は、「嫌悪・偏見・差別」だ。ウイルスの感染に関わる特定の地域・職業・人などを目に見える「敵」と見なして、差別や偏見が生じるとのこと。すると、人は差別を受けることを恐れて、熱や咳があっても医療機関を受診せず、結果としてウイルスの拡散を招く恐れがある。
「確かな情報」広め差別に同調しない
では、3つの「感染症」を防ぐにはどうするべきか。まず、病気そのものへの感染を防ぐために「手洗い」や「咳エチケット」などを徹底し、一人ひとりが予防に努めることが重要だ。
「不安と恐れ」にふりまわされないためには、「気付く力」、「聴く力」、「自分を支える力」を高めることを勧めている。具体的には、深呼吸し、お茶を飲むなど一度立ち止まって心を休ませる、新型コロナウイルスの情報と距離を置く時間を作る、安心できる相手と交流することなどが有効だという。
そして、「嫌悪・偏見・差別」を防ぐためには、「確かな情報」を広めること、差別的な言動に同調しないことが必要だとしている。
最後に本ガイドでは、高齢者、自宅待機している人、医療従事者など様々な立場の人に対して、「ねぎらい、敬意を払いましょう」と呼びかけている。