台湾の天才IT相「使用済みマスク」再利用法を説明 ツイッターで自ら「電鍋で消毒」
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの関心を集めている「マスクの再利用」問題。台湾のデジタル担当大臣・唐鳳(オードリー・タン)氏は2020年4月2日、台湾では一般的な調理家電の「電鍋」を使って「乾蒸し(からむし)」する方法をツイッターで提案した。わざわざ日本語で説明している。
ツイートによると「破損・汚れがなく、室外または感染リスクの低い場所で使用されたサージカルマスク」を再利用可能にする。
台湾「食薬署」が実際に検証
タン氏は動画で、(1)「電鍋」の蓋を開け、(2)マスクを平たく広げて内鍋に入れ、(3)水を入れずにスイッチを押し、(4)8分待ってから取り出して冷やす、と手順を説明。ツイートには「3~5回が限界」とある。
台湾の国営通信社「中央社」の3月25日付け記事が、この方法を裏付けている。これによると、台湾の衛生福利部食品薬物管理署(食薬署)が同日、「電鍋を使って水なしで加熱すれば、サージカルマスクを除菌することができ、再利用が可能になる」と発表している。ただし、「室外あるいは感染リスクの低い場所でサージカルマスクをし、破損や汚れのない場合」という条件つきだ。また「アルコール消毒スプレーなど液体のものを使ってしまったら、サージカルマスクの濾過機能が低下する恐れがある」と注意している。
なお、消毒効果は加熱回数によって徐々に低下するため、「3~5回以降は取り替える必要がある」。食薬署が行った実験結果は以下の通りだ。
「この方法で3~5回消毒したサージカルマスクの細菌濾過率(BFE)はあまり変わらず、99%以上を維持していることが分かった。また、微粒子ろ過率(PFE)は1.3%~14.2%下がり、効果が加熱回数によって徐々に低下する」
日本では再利用推奨されていないが「どうしてもの場合は」
タン氏の投稿に、「なんでそこまでしてくれるんだ!感謝しかない」、「いつも日本を気にかけていただき、ありがとうございます」と感謝感激のリプライが殺到している。
ただ、電鍋は日本で一般的な調理器具ではない。また再利用自体について、J-CASTトレンドの3月5日付記事「マスク再利用「布」なら洗える では「使い捨て」は?全国マスク工業会が指針」で、全国マスク工業会が3月4日に公開した指針「マスクの再利用について」を取り上げている。これによると「洗って繰り返し使える表記の無いタイプは、洗うと機能が落ちるのでお勧めできません」。
ただ、どうしても再利用したい場合という条件で、以下の方法を紹介した。
(1) 中性洗剤で押し洗いをする。もみ洗いはしない
(2) 十分なすすぎをする
(3) 熱に弱い材料が使われているマスクもあることから、型くずれを軽減するために乾燥機は使わず、十分に乾燥させる