北海道の食品業「新型コロナ」で在庫過剰 「緊急在庫処分SOS」がピンチを救う

   新型コロナウイルスの影響が大きい北海道では、物産展など食品関連イベントの中止や、店を訪れる人の数が減少したことで、過剰に在庫を抱える企業が多く存在している。

   こうした企業の支援策として、札幌商工会議所(北海道札幌市)は公式サイト上に「新型コロナ経済対策掲示板『緊急在庫処分SOS!』」を2020年3月10日、開設した。

キャプション:北海道の食品関連企業を助ける取り組みが広がる(画像はイメージ。実際に販売されている商品とは関係ありません)
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「ぜひ買って貢献したい」

   掲示板では、在庫過多や売り上げの減少に悩む北海道内の食品関連企業の情報を掲載し、販売促進支援を行っている。企業ごとの商品や在庫情報、販売方法などを公開中だ。

   各社の紹介ページには、「企業からひと言」という欄がある。「家族だけで手造りにこだわって造っております。ぜひ、この機会にお買い求めください」、「物産展中止の影響をうけております。商品をご購入いただいたお客様にお好きな『野菜スープ』いずれか1点をプレゼントさせて頂きます」など、消費者に向けた切実なメッセージが並ぶ。

   精肉店やアイスクリーム専門店などジャンルは多岐にわたり、多くが商品価格を下げるなど、安く販売している。

   3月10日にサイトがオープンすると、ツイッターでもその存在が話題になった。「ぜひ買って貢献したい」、「届くの楽しみ。少しでも助けになればいいなー」ほか、「緊急在庫処分SOSに載ってたケーキ屋さんで買ってきた」と、店舗に行って購入した商品の写真を投稿する人もいる。

「売り上げが10倍」「店に行列ができました」

   J-CASTトレンドは札幌商工会議所の担当者に20年3月12日、取材した。

   「臨時休校になり給食で使う食材を急遽販売した、というニュースを耳にして在庫過多という事態が起きていることを知りました」と担当者。在庫を過剰に抱えている企業の商品販売を少しでも手伝えたら、と掲示板を開設した。

   一般利用者からの反響を聞くと、「良い取り組みですね」と好評とのことだ。ツイッターなどで情報が拡散されていることもあり、一時サイトにアクセスが集中。「サイトに繋がらない」といった問い合わせもあった、と苦笑交じりに話した。掲載初日に在庫が全て売り切れる企業も出ているという。

   道内の食品関連企業からは、「うちもぜひ掲載してほしいです」と1日に10件程度申し込みがきていると説明した。

   また、掲示板に情報を掲載した企業からは、掲載後に「売り上げが通常の10倍になりました」、「お店に行列ができました」、「あっという間に売り切れて助かった」といった声が挙がっているとのことだ。

   企業から掲載希望の申し込みがある限り、この取り組みは続けていきたいとしている。

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