WHO「日本は最大の懸念国」 新型コロナで日本人入国禁止にする国続々
WHO(世界保健機関)は2020年3月2日の会見で、新型コロナウイルスの感染が広がっている日本を、「最も懸念される国」のひとつに挙げた。3月3日にはツイッターに「最大の懸念」というワードがトレンド入りした。
現在、日本からの渡航制限や、入国後に行動制限などの措置を取る国・地域はどれほどあるか。外務省が20年3月2日に公開した「日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限」をまとめた。
モンゴル、サウジ、イスラエルは「入国禁止」
日本を含む、感染者が確認された国などからの入国を禁止しているのは、3月2日時点でモンゴルやイラクなど18か国・地域だ。また、入国・入域はできても、その後の行動を制限しているのは、タイや台湾など35か国・地域にのぼる。
まず「入国禁止」の措置を取っている国・地域。このうちモンゴルは、20年2月28日から当面の間、過去14日以内に韓国・日本・イタリアに滞在歴のある外国人・無国籍者の入国禁止と、査証申請・発給の停止をしている。
イラクは、中国・イラン・タイ・韓国・日本・イタリア・シンガポール・バーレーン及びクウェートからの直接または第三国を経由した外国人のイラク入国を当面の間禁止している。
中央アジア・キルギスは、3月1日から過去20日の間に日本・中国・韓国・イタリア・イランに滞在歴のあるすべての外国人を、一時的に入国禁止の対象としている。
そのほか、サウジアラビアやイスラエルなども、対象者や期間は異なるが入国を停止する措置を取っている。
「行動制限」はタイや台湾、インドは到着ビザ発給停止
次に、入国・入域後に行動の制限をとっている国と地域の具体的な措置を見ていこう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で最多の犠牲者を出している中国は、各地において外部からの渡航者に14日間の自宅待機を要請している。居所がない場合は中国当局が指定する場所での待機、また、空港から居所に当局の用意した車両で移動させる措置も見られる。
タイは、感染地域との間を出入国する者に対して、14日間の自宅やホテル等での自己観察と、外出時のマスクの着用などを要請。また、入国時に発熱等が確認された場合には帰国を勧告している。この勧告に従わず入国する場合、医療機関で14日間隔離される。さらに、中国・香港・韓国・シンガポール・台湾・日本からタイに帰国した学生や教員には、14日間教育機関への通学と通勤を停止し、自己観察することを要請している。
台湾は、日本・シンガポール・イタリア・イランからの渡航者に14日間、検温やマスクの着用などの自主健康管理を要請している。
なお、インドも新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月28日に日本人向けの到着ビザ「Visa on Arrival」の発給を一時的に停止。在インド日本国大使館は、インドへの渡航をするにあたり、インド大使館又は総領事館にビザを申請し、発給を受ける必要があると発表した。