「新型コロナ」感染したら?命の危険は? 現状で分かっている情報を点検する

   日本国内で確認された新型コロナウイルスの感染者数についてNHKは、2020年2月20日夜、中国からの帰国者を乗せたチャーター機と、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の感染者を除いて77人と報じた。

   感染が拡大する中、「もしかして、自分も」と不安が増大しているかもしれない。多くの情報が飛び交う昨今、もしも新型コロナウイルスに感染した場合にどうなるのか、今一度専門機関や専門医の説明を参考に現状を把握しておこう。

命に関わる?
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WHO「致死率約2%」も40代以下は0.4%以下

   世界保健機関(WHO)の公式サイトのQ&Aによると、新型コロナウイルスの潜伏期間は1日~12.5日(多くは5~6日)としている。厚生労働省は、風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合には、「帰国者・接触者相談センター」に問い合わせるよう呼び掛けている。

   こうした症状が出て医療機関を受診し、感染が確認された場合、端的に「命を落とすリスク」はどれほどか。

   WHOは2月17日の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の致死率は「約2%」と発表した。中国から提供された4万4000人以上の感染者の詳細なデータにより明らかになったという。「重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)ほど致命的ではないとみられる。80%以上の患者が軽症で回復している」とのことだ。

   WHOによると、SARSは致死率9.6%、MERSは35%だった。

   NHKは2月19日、公表された中国の4万4000人以上のデータから明らかになった新型コロナウイルスの年代別の致死率について報じている。それによると、40代以下は致死率0.4%以下と極めて低く、50代は1.3%、60代は3.6%、70代は8.0%、80歳以上は14.8%で、全体では2.3%だった。

   専門医の見方はどうか。2月20日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)には、昭和大学病院特任教授・二木芳人氏が出演した。新型コロナウイルスについて、「この感染症は、重症化する確率がそれほど高くはありませんね。特に若い人、疾患のない人は(症状が)軽く、中国を見ても亡くなっているのはほとんどが高齢者か、治療が遅れている場合」と語った。そして「それほど恐れるものでもないのかな、と思います」と続けた。しかし、新型コロナウイルスの全貌はまだわかっていない。そこが問題だと指摘した。

「ほとんどの人は軽い症状」だがウイルスに不明な点も

   2020年2月19日放送の情報番組「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)で、感染症に詳しい「とうきょうスカイツリー駅前内科」の院長・金子俊之氏は、新型コロナウイルスについて「幸いにも重症化する人はさほど多くない」と話した。ほとんどの人は風邪のような軽い症状でおさまるという。

   一方、万が一重症化してしまった場合の医療現場での対応についても言及。現段階で、日本では重症化した例を複数見ている医療機関はないとした上で、「各国の対応を見ていると、標準的な肺炎の対処療法、あるいはバイタルを安定させるような治療法で大きく問題ないのでは」との見解を示した。完治は「症状が治まってから数日」とのことだが、まだ不明な点もあるという。

   現状ではワクチンが開発されておらず、金子氏が指摘したとおり治療は対処療養だ。「新型」だけに解明されていない点が多く、現状認識が今後変わる可能性が否定できない。まずは引き続き「マスクの着用」や「しっかりした手洗い」など予防を心がけ、ウイルスに対する正確な情報を常にアップデートしておき、備えることが大切だろう。

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