医師やサッカー選手よりもユーチューバー 男子小学生「将来つきたい職業」
教育サービスを展開する学研ホールディングス(本社:東京)の調査機関「学研教育総合研究所」は、全国の小学生と保護者を対象に日常生活・学習に関するアンケート調査を行い、その結果をまとめた「小学生白書Web版」(2019年8月調査)を19年12月19日に発表した。
調査項目のひとつ「将来つきたい職業」では、小学生男子で前年1位だった「プロサッカー選手」に代わり、ユーチューバー(YouTuber)などのネット配信者が首位に立った。
小学6年生では「会社員」を抜き単独1位
「将来つきたい職業」で男子1位になった「YouTuberなどのネット配信者」は、2016年に自由回答欄で初めて登場した。17、18年は2年連続で「プロサッカー選手」に次ぐ2位だったが、今年ついに「プロサッカー選手」を逆転。1位に登り詰めた。
学年別で見ても、「YouTuberなどのネット配信者」は小学1年生を除き全学年で2位以上を記録。小学6年生では「会社員」を抜き単独1位になっている。
白書では、普段からスマートフォンなどの通信機器を自由に利用できる小学生を対象に、その利用目的・利用時間を聞いているが、ここでは「動画の閲覧」(44分)が「ゲームをする」(45分)に次ぐ2番目に長い時間を記録している。
同研究所は一連の結果について「近年のYouTuber人気の圧倒的な勢いがうかがえ、小学生の平均動画閲覧時間にもその一端が表れている」と分析した。
平成から令和へ、ランキングは大きく変化
女子の「将来つきたい職業」1位は「パティシエ(ケーキ屋さん)」で、全学年で単独1位だった。一方、男子で1位だった「YouTuberなどのネット配信者」は女子では16位にとどまり、学年別でも小学2年生の10位、小学4年生の12位を除きランク外となっている。
男女の総合結果では、1位が「パティシエ」、2位が「YouTuberなどのネット配信者」、3位が「医師」だった。1989(平成元)年の調査を見ると「保育士・幼稚園教諭」が1位、「プロ野球選手」が2位、「小・中・高の先生」が3位だったため、30年で上位の顔ぶれが大きく変わったことが分かる。
「小学生白書Web版」は学研教育総合研究所が小学生を対象にインターネット上で実施している調査をまとめたもの。今回は全国の小学1~6年生とその保護者1200組を対象にインターネット上で行なった。調査期間は19年8月27日~30日。