「11月11日」なぜ記念日多い ベースの日に鮭の日...「1」に注目すると
11月11日。中国では「独身の日」と呼ばれる日だ。独身者を指す「1」の数字が並ぶのにちなんだもので、中国EC最大手のアリババを筆頭に大規模なセールを行うことで知られる。
一方日本は、1年の中でも数多くの「記念日」が集まる一日となっている。
合計45もの記念日
そもそも、日本では「勤労感謝の日」(11月23日)のように国が定める記念日のほかに、企業や団体、個人などが作ったオリジナルの記念日が存在する。長野県佐久市にある日本記念日協会は、そうした記念日の「認定」と「登録」を独自に行なっている。2017年12月末現在で1800件を超える記念日に「お墨付き」を与えている。
同協会の公式ウェブサイトには、認定した1年間の「記念日」を検索できる機能がある。知りたい日付を選んで検索すると記念日が一覧に表示され、クリックすると制定理由がわかる仕組みだ。
「11月11日」で調べてみると、上から下までずらっと記念日の名前が並ぶ。一つ一つを眺めて目に留まったのは「ポッキー&プリッツの日」だ。江崎グリコ(本社:大阪)の棒状のお菓子「ポッキー」と「プリッツ」が数字の「1」に似ていることから制定されたもので、「1」が6つ並ぶ平成11(1999)年11月11日に第1回がはじまった。この時期になると商品に関するPRを目にする機会も多いことから、「11月11日」と聞いて思い出す人も多いのではないか。
他の記念日も見てみよう。例えば「磁気の日」は磁気治療器を手がけるピップ(本社:大阪)が、磁石のN極(+)とS極(-)を漢数字の「十一」に見立てて制定したものだ。漢字にちなんだ記念日としては、他にも「鮭」という漢字のつくり部分「圭」を「十一」の連続に見立てた「鮭の日」などもあった。
これらの記念日や毎月11日の「めんの日」を含めると、11月11日は合計45もの記念日が登録されている。前後月と比べてみると、10月11日は5つ、12月11日は3つに留まっていることから、その多さがより際立って分かるだろう。
記念日数トップの日は「読み方」に注目
なぜ11月11日は記念日が多いのだろうか。
J-CASTトレンドが日本記念日協会の担当者に取材すると、
「11月11日は数字の『1』が4つ並んでいる。そのため、棒状で細長い商品を『1』に見立てて記念日に制定するケースが多い」
のだという。
回答を受けて、改めて各記念日の制定理由を調べてみる。確かに「ポッキー&プリッツの日」の他にも、串カツの串が4つ並んでいるように見えることにちなんだ「串カツ田中の日」や、ベースギターの弦が4本であることを受けた「ベースの日」など、数字の「1」を棒や線ととらえた記念日が数多くあった。
だが、これほどの記念日があるにもかかわらず、その数は1年のうち「8月8日」に並び2位だ。
11月11日を上回りトップに立つ日は、52の記念日が認定された10月10日だ。その理由を担当者は、
「『ジュ―』『トウ』『テン』など色々な呼び方があり、語呂合わせがしやすい」
と説明する。実際に調べると、「ジュージュー」という焼き音にちなんだ「お好み焼の日」、数字の「1010」を「セントウ」と読んだ「銭湯の日」などがヒット。「見た目」由来が多い11月11日とは異なり、「読み方」にちなんだ記念日の存在が目立っていた。