「この世界の片隅に」新規場面を大幅追加 主演のん、片渕監督が語る見どころ
2019-11-05 07:30:00
2016年の大ヒット映画「この世界の片隅に」の"長尺版"といえる話題作「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が、公開まで約1か月半と迫っている。
第32回東京国際映画祭の特別招待作品として、2019年11月4日に東京・TOHOシネマズ六本木でワールドプレミア上映が行われた。上映後の舞台挨拶に、女優・のんさん(浦野すず役)、女優・岩井七世さん(白木リン役)、音楽と主題歌を担当したコトリンゴさん、片渕須直監督が登壇した。
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リンはすずにとって「心のよりどころ」
第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞をはじめ、国内外の数々の映画賞を受賞した映画「この世界の片隅に」。これに250カットを超える新規場面を追加した新バージョンが、12月20日にテアトル新宿、ユーロスペースほか全国で公開する。
この追加カットによって、主人公であるすずの夫・北條周作と、遊郭で働くリンのある"秘密"が浮かび上がってくる。片渕監督は「前作で描かれていたシーン、表情、セリフの見え方が変わるかもしれない」とし、こう続けた。
「今回また新しい場面を加えたことで、『すずさんは、本当はこんなことを心の中に抱いていたのかもしれない』と、(視聴者に)思い抱いてもらえるような映画になっているかと思います。よりすずさんという人の人格、すずさんという人の存在が多面的になったということなんじゃないかと思います」
前作では出演シーンは少なかったものの、リンはすずをめぐる物語において非常に重要な人物だ。すずにとってリンはどんな存在なのか、のんさんはこう語る。
「すずさんは(広島から)呉にお嫁にきて、知らない家族の中でお嫁さんの義務を果たすことで、自分の居場所を見つけなきゃいけない。そんな風に過ごしていく中で、(リンさんは)初めてすずさんに『絵を描いてほしい』といった人なんですね。(絵を描くことが大好きなすずさんは)自分が(広島から)持ってきたもの、自分の中にあるものを認めてもらえたっていうのを、すごく心のよりどころにしていたんじゃないかなと思います」
監督によると、11月4日時点でも本映画は未完成で、追加シーンを編集しているという。はたしてどんな仕上がりになるのか、12月20日の公開が待ち遠しい。