「赤ちゃんの肌はもちもち」は大間違い 専門医が乳幼児期のスキンケア法伝授

   国内のアトピー性皮膚炎の発病率が上昇傾向にある。2018(平成30)年度「学校保健統計調査」によれば、中高生における「アトピー性皮膚炎の出現率」が最大値を記録した。

   アトピーを繰り返さない健やかな肌を育てるためには、どうすればいいのか。開院以来、約2000人の0歳児の肌を診てきた「わかばひふ科クリニック」(東京都武蔵野市)の野崎誠院長は2019年9月に発表した資料の中で、「0歳からのスキンケアが必須」としている。

専門医が乳幼児期のスキンケア法伝授
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保湿剤を塗るタイミング、入浴直後はNG

   野崎院長は「赤ちゃんの肌は"もちもち"というのは、実は大間違い。肌のバリア機能が整っていない子どもは、常に、外部からのアレルギー物質や刺激物質の侵入のリスクにさらされている」と発表資料で述べている。皮膚の厚さは大人でもラップ1枚分と言われ、赤ちゃんはその半分。保湿の仕組みが未発達のため乾燥しやすいのだ。主に以下の3点を意識してスキンケアをしてあげるのがよい。

(1) 汗やよだれ、お乳、食べ汚し、おしり周りの汚れは早めに優しく拭き取り、肌を常に清潔にする。保湿剤(ベビーローションやクリームなど)は、風呂上がりに5分から15分時間をあけて、ゆっくりと全身に塗る
(2) 室内の湿度を50%、温度を25度程度にする
(3) 十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事をとらせる

   (1)の保湿剤を塗るタイミングは風呂上がりがベストだが、赤ちゃんは入浴中に大量の汗をかいているため、入浴直後に保湿剤を塗ると逆に汗疹(あせも)ができる恐れがある。そこで子どもにおむつを履かせ、その後ママ・パパが自分の体を拭いて服を着てから、保湿剤を塗ってあげるのがいい。なお顔を最優先に、そのまま下に向かってゆっくりと塗り広げていく。擦りこむと摩擦によって汗疹ができてしまうため厳禁だ。

   また、肌の乾燥対策というと「外側」からの保湿を考えてしまいがちだが、野崎院長は「内側」からうるおいのある肌を作ることの重要性を説いている。具体的には、肌の内側で作られる「フィラグリン」という、乾燥から肌を守るバリア機能を高める働きをするたんぱく質の産生を促進するベビースキンケアが望ましい。

   なお秋冬シーズンにおけるスキンケアでは、「保湿」をより強化することが必要になるという。保湿剤の種類を水っぽいものから、少しこってりとしたものに変え、回数も意識的に多めにしていくことが大切だ。

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