外国籍有名人の日本国籍取得「嬉しい」4割 ラモス瑠偉とドナルド・キーン抑えトップは誰
大相撲の横綱・白鵬関が2019年9月3日、日本国籍を取得し話題となったことは記憶に新しい。現在開催中の「ラグビーワールドカップ2019日本大会」で快進撃を続けているラグビー日本代表にも多くの帰化選手がおり、試合を盛り上げている。
日本国内で活躍する外国籍の有名人が日本国籍を取得することを「嬉しい」と思うか。また、日本国籍を取得してくれて嬉しかった有名人はいるか。オンライン総合旅行サービス「エアトリ」(東京都新宿区)が、日本国籍を持つ20代~70代の男女1304人を対象に「日本国籍取得」に関する調査を実施し、2019年10月4日に結果を公表した。
日本を愛して帰化してくれるのであれば嬉しいが...
まず「日本国内で活躍する有名人が日本国籍を取得すること」についてどう思うか。「非常に嬉しい」「やや嬉しい」と歓迎意向を示したのは合計で39.6%と約4割、「どちらでもない」が52.3%、「やや嬉しくない」「全く嬉しくない」の合計は8.2%と1割を切った。なお、「どちらとも言えない」「嬉しくない」と回答した人の多くは、その理由が、
「日本を愛して帰化してくれるのであれば嬉しいが、試合に出るためなどの自己利益のためだけの帰化であれば嬉しくない」
だという。
続いて、日本に帰化した選手が最も多いと感じるスポーツを聞いている。圧倒的な獲得票数で1位になったのは「相撲(48.2%)」。エアトリは発表資料で、「相撲」については「親方として日本相撲協会に残るためには、日本国籍でなければならないという規定があるため、多くの力士が日本国籍を取得するようだ」としている。
2位「ラグビー(14.2%)」については、
「一定の条件さえ満たせば外国籍であっても日本チームとして世界大会に出場することができる。そう考えると日本に帰化しているラグビー選手は実利的な理由よりも日本への思いが強い人が多いのかもしれない」
と分析している。なお3位以降は「サッカー(8.2%)」、「野球(5.6%)」、「格闘技(0.7%)」だ。
東日本大震災後に帰化したキーン氏「覚悟に感動」
本調査では「日本国籍を取得して嬉しかった有名人ランキング」も発表している。1位は横綱・白鵬。選んだ人たちからは、以下のようなコメントが集まっている。
「一人っ子ということもありモンゴル国籍のままでいたかったと思うが、相撲の世界に残るために出身国の国籍を捨て、日本国籍になった。相撲界以外でも将来は約束されている人物だと思うが、それでも日本の相撲にこだわったということだと思う」(70代・男性)
「日本の伝統的な社会で活躍している中で、日本人が差別的なところもあってそれでも、日本国籍を取得してくれたから」(60代・男性)
2位は1989年に帰化したサッカーのラモス瑠偉さん、現在ラグビーワールドカップで大活躍中の日本代表キャプテン、リーチマイケル選手も4位にランクインした。トップ5の中で唯一、スポーツ選手でなかったのが3位の日本文学者、ドナルド・キーン氏(故人)だ。
「東日本大震災後の『今こそ私は日本人になりたい』と、90に近い歳で故郷のニューヨークより日本に骨を埋める覚悟に感動した」(50代・女性)
「日本の文学と文化を愛し、深く研究した方が、終の住処としてこの国を選んでくれたことが嬉しかった」(40代・女性)
エアトリはこうしたコメントを発表資料内で紹介し、キーン氏が「2月に死去したことで、彼の功績に改めて感謝をした人が多かったことが窺える」としている。