「明るく楽しく」で同業者の支持も厚い熊本タクシー【ツイッターは仕事!企業公式「中の人」集合(6)】

   ツイッターでは「クマタク」の愛称で親しまれている、熊本タクシー(熊本市)。好きな企業公式アカウント担当者に投票して順位を決める「企業公式中の人総選挙 2018」優勝者だ。

   2019年7月末に行われた、熊本県内のSNS担当者やブロガー向けの勉強会で講師を務め、他社のツイッター担当者からも支持を得ている。その人気の秘密に迫った。

熊本タクシーツイッターアカウント担当者と「JPNタクシー」
J-CASTニュース編集部マスコットキャラクターの「カス丸」と2ショット
洗いたての「プリウスα」タクシーと
「熊本国際漫画祭コラボ加藤清正タクシー」
「戦国無双タクシー清正」
「戦国無双タクシー武蔵」
「戦国無双タクシーガラシャ」
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若年層ファン増のためアニメやゲームとコラボし...

熊本タクシー株式会社】タクシーサービスのほか、貸切バス・肥後観光バス、指定訪問介護事業所等のサービスを展開する。ツイッターアカウントは2012年3月の開設から、現担当者が約7年半運用中(一時期担当交代時期あり)。

   担当者はウェブマーケティング戦略室の室長。もともと介護福祉士の資格を持っているため、普段は介護部署の提供責任者として勤務しつつ、時にはケアドライバーとしても運行しながらツイッターを運用している。

「入社した時、20代社員は自分だけでした。当時、営業部員として他のタクシー会社を回っていて、どこも同じように若手社員が少ないと気づいたのです。『これは新しい何かを始めて、他社と差をつけるチャンスなのではないか』と思い、取り入れたのがツイッターでした」

   ツイッターは自分のプロフィールを出さずに利用できる匿名性の高さが特徴だ。会社に直接届かない意見や苦情をつぶやいているユーザーを見つけ、早めにリプライで対応することで、満足度や認知度向上に繋げる狙いがあった。7年以上の取り組みが奏功し、今では2万を超えるフォロワーがいるほか、「ツイッターを見て入社を決めた」新入社員もいる。

「若手社員を増やすこともツイッター運用の大事な目的です。そこでまず若年層に興味を持ってもらえるよう、アニメや漫画、ゲームなどとコラボし、ラッピングタクシーサービスも始めました。例えば『北斗の拳』や『花の慶次』で知られる原哲夫先生デザインの『加藤清正タクシーや、コーエーテクモゲームスのゲーム『戦国無双』の登場キャラクターをデザインした『戦国無双タクシー清正』、『戦国無双タクシー武蔵』などがあります』

子ども向けに「SNS講座」開いてみたい

   ツイートは、「とにかく明るく楽しくがモットーです」と話す。

「まじめに情報発信することも大事ですが、ふざけるときはとことんふざけ倒す。私がおかしなネタツイートしているのを面白がってもらい、同じ話題で盛り上がれたら」

   こんな例がある。19年6月に数社の企業公式ツイッター担当者が集まって行われた「中の人お泊まり会2019」でのこと。自然豊かなアウトドア・スポーツ施設「阿蘇ネイチャーランド」を移動中、ズボンの後ろポケットに入れていた財布を落としてしまったのだ。

   早速、自らそれを「ネタ」にし、広大な草原を写した一枚を添えて「このどこかにある」とツイート。その後、財布は無事に発見されたが、以降も「財布は落としても、自分の中にある信念は落とさないのです」と自虐投稿したり、フォロワーからは「財布はしっかりポケットに!!」、「クマタクさんのおかげで財布を確認する癖が付きました」とイジられたりしている。

   こうした「ドジっ子エピソード」の一方で、かつてラジオDJを目指し、専門の放送学校でトークに関する勉強をしていた経験があるので「人と話すのも、人前で話すのも好き」。話がわかりやすく、親しみやすい人柄が多くのフォロワーや「同業」である企業公式ツイッター担当者に支持される理由だろう。

「いつかは他社のツイッター担当者だけでなく、児童や学生を対象とした『SNS講座』にも挑戦してみたい。現代の子は生まれた時から当たり前のようにSNSがあります。SNSに対する知識がないせいで事件に巻き込まれないよう、企業公式ツイッター担当者ならではの気付きを交えて、適切な付き合い方を伝えたいです」

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