東日本大震災の経験から生まれた防災ゼリー 電気・水・ガスなくても栄養補給できる

   ゼリー型の新しい備蓄食「LIFE STOCK」が、2019年9月1日10時からクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売されている。

   宮城県の企業ワンテーブルが、2011年の東日本大震災の経験から「あのとき、ほんとうに欲しかったもの」を追求した製品。J-CASTトレンドの取材に答えた同社の広報担当者によると、9月1日19時過ぎにはすでに目標額の50万円を達成していた。

LIFE STOCK3種
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東日本大震災での被災経験から開発

   目標額に約9時間で到達したことに担当者は、大々的に宣伝していたわけではないので驚いたが、「防災の日」である9月1日に発売したこともあり、人々の意識が高まっているのではないか、と話した。

   「LIFE STOCK」は、東日本大震災の被災地で目の当たりにした問題を解決するために開発された。

   プレスリリースによると、震災直後の避難所の問題は、「水がない」こと。カップラーメンやスープを作れないのはもちろん、乾パンのような備蓄食も水分なしでは食べにくい。水が貴重になるので、摂取を控えるようになり、当時は脱水症状のような健康被害が発生したそうだ。

   発生から2~3日経つと、炊き出しや非常食が行き届き始めたが、大量に作れるご飯や麺類のメニューが中心だった。炭水化物中心の食事になるため「震災太り」になったり、栄養バランスが崩れて免疫力が低下したという。

   震災1週間後にはライフラインが徐々に復旧してきたが、避難所の環境は日々悪化していったそうだ。食べ残しや賞味期限切れのゴミが悪臭を放ったり、水が貴重なため箸やスプーンが洗えず不衛生な状態になったりした。

   先行販売された「LIFE STOCK」は、電気・水・ガスがなくても食べられるゼリー食。1パックで200キロカロリーを補給できる「エナジータイプ」と、避難所生活で不足しがちなビタミンを摂取できる「バランスタイプ」がある。バランスタイプは約72%が水分で、脱水症状対策にも有効だ。

   エナジータイプは100グラム、バランスタイプは30グラムで、一度で食べ切りやすく、残飯が出にくくなっている。ゴミも小さくまとまるそうだ。

   味は「エナジータイプ・洋梨味」「エナジータイプ・ぶどう味」「バランスタイプ・アップル&キャロット味」の3種。それぞれに果物や野菜のイラストが描かれていて、担当者によると「気持ちが少しでも明るくなるように」という思いが込められている。味も、「普通においしいな」と思えるものを目指しているとの話だ。

   1パックの大きさは、エナジータイプが15(縦)×8(横)センチ、バランスタイプが11.5(縦)×5.5(横)センチ程度で、ポケットに入れて持ち運べ、避難バッグに入れてもかさばらない。

   常温で5年半の保存が可能だ。

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