気象庁の特別警報・警報・注意報...何が違う 警戒レベルに応じた「取るべき行動」

   2019年8月28日、九州北部を猛烈な豪雨が襲った。気象庁は同日、福岡・佐賀・長崎の3県に大雨特別警報を発表し、ツイッターでも「大雨特別警報」がトレンドワード入りする事態になっている。

   大雨や暴風などから発生する災害を防止・軽減するため、気象庁は気象警報・注意報や早期注意情報を発表することがある。全部で何種類あり、それに応じてどのような行動を取ればよいか、調べてみた。

気象庁の特別警報・警報・注意報…何が違う?
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「大雨特別警報」は「命を守るための最善の行動」を

   気象庁の公式ウェブサイトによると、発表する防災気象情報は以下の通りだ。

・特別警報(6種類):最大級の警戒を呼びかける
大雨(土砂災害、浸水害)、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮

・警報(7種類):重大な災害が発生するおそれのあるときに警戒を呼びかける
大雨(土砂災害、浸水害)、洪水、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮

・注意報(16種類):災害が発生するおそれのあるときに注意を呼びかける
大雨、洪水、強風、風雪、大雪、波浪、高潮、雷、融雪、濃霧、乾燥、なだれ、低温、霜、着氷、着雪

・早期注意情報(4種類、警報級の可能性):警報級の現象が予想される際、可能性を知らせる
大雨、暴風(暴風雪)、大雪、波浪

   大雨特別警報は災害の危険度を5段階で示した「警戒レベル」で、最大の「警戒レベル5」に分類される。何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況であるため、「命を守るための最善の行動」を取るよう推奨されている。なお「警戒レベル4」の段階で各市町村が避難勧告を発令する目安となる。警戒レベル1~4について、それぞれ取るべき行動については、

警戒レベル1:災害への心構えを高める
警戒レベル2:ハザードマップ等で避難行動を確認
警戒レベル3:土砂災害警戒区域等や急激な水位上昇のおそれがある河川沿いに住んでいる人は避難準備が整い次第、避難開始。高齢者等は速やかに避難
警戒レベル4:速やかに避難

同ウェブサイトでこのように説明されている。例えば早期注意情報の段階であれば警戒レベル1だが、注意報になるとほとんどが警戒レベル2に上がる。大雨警報、洪水警報などは警戒レベル3に相当する。

警報・注意報がそれぞれどの警戒レベルに相当するかは、気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」のウェブページが参考になる。

   また避難については、必ずしも指定された避難場所にこだわる必要はない。気象庁は「自らの判断でその時点で最善の安全確保行動をとること」を推奨しており、例えば川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するのもよい。発表される最新の防災気象情報や警戒レベルに基づき、臨機応変に早めの行動を取ることが望ましい。

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