劇団青年座、8月に『DNA』上演 中村ノブアキ氏の新作

   「創作劇の上演」にこだわって活動を続けている劇団青年座が、2019年8月16日から25日まで東京・三軒茶屋のシアタートラムで『DNA』を上演する。

   現在もサラリーマンとして働く劇作家、JACROWの中村ノブアキ氏による新作書き下ろし。演出は第一線で演劇界を牽引してきた宮田慶子氏が務める。

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子どものいない夫婦と会社の不正とが

   子どものいない夫婦。二人は同じ会社の元同僚。結婚を機に退職した妻は、インテリアコーディネートの会社を起業。働くことに生きがいを見出し、「子供がいなくてもいい」と考えている。そのまま会社に残った夫は「夫婦の間に子供がいるのは自然なこと」と考え、2人の間には言い争いが絶えない。

   一方、夫の会社では目標達成のため、歴代受け継がれる決算方法があった。一歩間違えば不正ともいえるこの方針に対し、新しく配属された社員が異論を唱え、事態は思わぬ方向へ進んでいく。

   中村氏の作風は、リアリズムを追求し、会社内部に潜む問題を鋭く描くのが特徴。代表作に、経営危機の会社で働く技術者たちの苦悩を描いた『ざくろのような』(鶴屋南北戯曲賞ノミネート、テアトロ新人戯曲賞受賞)、家具会社を舞台に父と娘の経営権争いを描いた『骨と肉』などがある。政治を描いた作品も多く、田中角栄が最年少大臣に抜擢されるまでの1年を描いた『夕闇、山を越える』、田中角栄が総裁に上り詰める直前の「角福戦争」を題材に虚実入り混ぜながら政争劇を描いた『宵闇、街に登る』などがある。

   今回の作品は、家庭と会社を舞台に、双方をらせん状に絡めて物語を編み、「次代に繋ぐ」ことの意味を描いている。

   問い合わせは、劇団青年座(電話03・5478・8571)まで。

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