「かいけつゾロリ」が舞台化される ゾロリ、イシシ、ノシシは着ぐるみに
累計発行部数3500万部以上の人気児童書シリーズ「かいけつゾロリ」(著・原ゆたか)が舞台化され、2019年9月~10月に全国7か所で上演される。
J-CASTトレンドは、演出を務める西秋元喜さん、ヒロイン役の秋山ゆずきさんを取材した。
上演中には観客と交流する場面を予定
舞台化されるのは、シリーズ52巻「かいけつゾロリなぞのスパイとチョコレート」と53巻「かいけつゾロリなぞのスパイと100本のバラ」。連作になっている2作が、「かいけつゾロリとなぞのスパイ・ローズ」として1時間ほどの劇になる。
ゾロリ、イシシ、ノシシの3人は着ぐるみで再現される。西秋さんによると、ゾロリは長身でスラリとした姿、イシシとノシシはゾロリより背は低く、丸々としたフォルムになる予定で、演劇用に動きやすい形になっている。着ぐるみは表情の変化が出ないため、目線を合わせているように見える状態を作る、動作で感情を表現する、など「(人間対人間の芝居では)当り前じゃない」演出をする必要があるという。
一方、他の役は役者本人の姿で演じる。秋山さんが演じる猫の女の子は衣装やメイクで猫っぽさを表現するものの、表情はしっかり見える。西秋さんは「(ゾロリたちとのシーンが多く、ゾロリたちの感情を読み取る必要があるので)秋山さんのほうが難しいかもしれない」と話した。秋山さんは舞台上でのコミュニケーションについて、
「稽古の段階からタイミングを探りながら、意思の疎通をしていかなきゃなと思っています」
と意気込みを語った。
ゾロリらのセリフは、着ぐるみで演じる俳優本人が話す。上演中には観客の子どもたちと交流する場面も予定されており、子どもたちにとっては「ゾロリ本人」と出会える機会になるようだ。
「生」ならではの体験を子どもたちに
西秋さんによると、ゾロリがヒロインに恋をして、でも空回りする定番のラブストーリーで、子どもにはわかりやすく、保護者が見ても楽しめるものになっている。オリジナルキャラクターや原作にはないシーンに加え、ゾロリが劇場を縦横無尽に駆けまわる演劇ならではの表現や、子どもたちが参加できる仕掛けも用意されており、「生の舞台」だからこその体験ができるという。
子ども向けの公演は初めてだという秋山さんは、
「子どもたちが好きなところで笑ったり、反応したりするのを感じられるのが楽しいから、ディズニー映画を映画館で見るのが好きです。そういう体験が、ゾロリの舞台ではできるのかな。子どもたちの素直な反応を早く感じてみたい」
と語った。