30年前は全国180店舗も イトーヨーカドーのレストラン「ファミール」激減
2019-06-24 07:20:00
ファミリーレストランチェーン「ファミール」が、正念場を迎えている。
かつては総合スーパー「イトーヨーカドー」の館内を中心に全国200店舗近くに上ったが、今日ではわずか10店舗ほどにまで激減してしまったのだ。
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東京都内はゼロ、残りは10店舗に
イトーヨーカドーの社史『変化対応 あくなき創造への挑戦』によれば、ファミールはイトーヨーカドーグループ(現セブン&アイホールディングス)のレストラン部門として1972年にスタート。1号店は「イトーヨーカドー五香店」(千葉県松戸市)の店内だった。
メニューはハンバーグやスパゲティなどの洋食に加え、天ぷらやそばといった和食が充実していることが特徴だ。出店場所は主にイトーヨーカドーの館内だが、かつては道路沿いなどに単独の店舗として出店するケースも多く、最盛期の1990年頃には全国約180店舗を数えた。
だが、2019年に入って新潟県や秋田県などで店舗の撤退が相次ぎ、3月には東京都内に残っていた唯一の店舗も消滅した。6月末には神奈川県川崎市の店舗が新たに閉店し、7月以降に残るのは北海道3店舗、青森県、埼玉県の各2店舗、神奈川県、静岡県、愛知県各1店舗の計10店舗になる。
各地で相次ぐファミールの閉店に、ツイッター上では、
「イトーヨーカドー秋田店の開業当初から入っていたファミールがとうとう閉店。軽くショックで倒れそう」
「ファミール閉店の報せにより私の青春が少しだけ欠けてしまった」
など悲しみの声が相次いでいた。
運営会社「お客様のニーズを的確にとらえきれず」
閉店ラッシュの理由を、運営会社のセブン&アイ・フードシステムズの担当者に取材すると、
「お客様のニーズを的確にとらえきれず、ご利用いただくお客様が減少したこと、館(出店場所)であるイトーヨーカ堂の閉店による減少が主な原因」
と回答した。
今後は「新規出店の予定はない」とし、
「既存店をご利用いただくお客様にご満足いただけるよう、QSC(品質、接客、清潔さ)の向上に努める」
と語った。