熱中症対策にヨーグルトの摂取を 自律神経と連動する「腸内環境」整えよう
2019-06-20 04:00:00
夏本番を迎えると不安が高まるのが、熱中症だ。総務省消防庁によると、2018年4月~9月の熱中症による救急搬送者数(確定値)は、全国で9万5137人に上った。
熱中症を予防し、夏を健康に乗り切るためにどんな対策をすればよいか。J-CASTトレンドが東京都世田谷区のせたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長に取材すると、ある食べ物を勧められた。ヨーグルトだ。
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「熱中症を防ぐには、まず体の中を整えることが大事」
「熱中症とは、体に熱がこもり、体温調節機能が働かなくなって汗が発散できなくなる『オーバーヒート』状態を指します。頭痛や高熱、吐き気、めまい、だるさなどの症状が出ます。暑い場所や直射日光を避けるのが大切ですが、気温25度程度であっても湿度が80%以上あると汗をかきづらくなるため、熱中症になる可能性があります」
久手堅院長は熱中症について、まずこのように説明した。そのうえで対策については(1)こまめな水分補給、(2)手首や足首など「首」とつく場所を冷やす、(3)ヨーグルトや納豆、みそといった発酵食品を摂取する、などがあるという。熱中症に発酵食品は、なぜ有効なのか。答えは、こうだ。
「人の体温は自律神経が自動で管理・調整しているので、熱中症を防ぐには自律神経のバランスを整えて、体温調節機能を高めることが大切です。自律神経は腸内環境と連動しているシステムなので、腸内環境を整えてくれる発酵食品の摂取を推奨しています」
中でも久手堅院長が特に勧めるヨーグルトは体水分保持効果を持つ乳たんぱく質を含んでおり、体内に残すべき水分を保ってくれる。炎天下で運動を行った被験者に「糖質飲料」と「乳たんぱく質を含む飲料」をそれぞれ摂取させ、各飲料に対する尿量を比較した実験によると(写真2)、「乳たんぱく質を含む飲料」摂取時の方がより尿量が少なく、水分が体内に保たれていることが示されている。
「ヨーグルトはたんぱく質以外にビタミン、ミネラルといった栄養素をバランスよく含んでいます。また乳酸菌が腸内環境を整えて水分やミネラルの吸収効率も高まります。熱中症を防ぐには、まず体の中を整えることが大事ですので、まさにヨーグルトは理想的な食べ物です」
なお「必ず毎日この量をこの時間に摂らなければならない」という決まりはない。例えば「朝ごはんと一緒にヨーグルトを食べる」など、無理のないタイミングや方法でよい。久手堅院長は「とにかくこまめな水分補給が重要。そこにヨーグルトなどの発酵食品をうまく取り入れて体内に水分を保ち、腸内環境、そして自律神経を整えていきましょう」と呼びかけた。