「カメラを止めるな!」上田監督ゴーサイン 銚子電鉄社長が激白、映画「電車を止めるな!」

   銚子電鉄(千葉県銚子市)は、同社の鉄道路線が舞台の映画「電車を止めるな!」を2019年8月に公開する。廃線寸前の鉄道会社が企画した「心霊電車」の中で、実際には起こりえないはずの奇怪な現象が発生し、乗客がパニックに陥っていくストーリーだ。

   そのタイトルと筋立て、「あの映画」に似ていないか? J-CASTトレンド編集部は、銚子電鉄に映画制作の真意を聞こうと取材を申し込んだところ、同社の竹本勝紀社長が自ら答えてくれた。

銚子電鉄が「電車を止めるな!」を制作
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「カメ止め」へのオマージュ込めた独自作品

   「電車を止めるな!」は、そのタイトルやホラー要素はもとより、黄色い背景に血塗られた黒文字が浮かぶ作品ロゴまでも、2018年公開の大ヒット映画「カメラを止めるな!」(通称:カメ止め)とうり二つだ。

   あまりの似せ具合に、「カメ止め」サイドは怒っていないのだろうか。電話で竹本社長に聞くと、

「(カメ止め側に)許可はもらっています」

とあっさり回答した。

   映画の制作にあたっては、「電車を止めるな!」のプロデューサーが「カメラを止めるな!」監督の上田慎一郎監督のトークショーに参加した際に「ゴーサイン」をもらっていた。さらに「カメ止め」制作元の「ENBUゼミナール」にも許諾を取ったと明かした。 竹本社長は作品について、

「電車を止めるな!は、カメラを止めるな!に対するオマージュを込めた、全くのオリジナル作品です」

と強調する。その一方で、

「(カメ止めの出演者に)友情出演してもらえないかなあ」

と、リスペクトする作品からの「助太刀」を期待した。

映画制作は本当に「電車を止めない」ため

   「カメ止め」との共通点は予算面にも見られる。

   銚子電鉄が映画制作費確保のため、2019年4月19日から開始したクラウドファンディングでは、目標金額を500万円に設定。この金額はそのまま映画の予算になる。制作予算約300万円といわれる「カメ止め」同様の低予算ぶりだ。

   クラウドファンディングでは、目標金額に未達でもプロジェクトを実施する方式を採用しているが、未達の場合は竹本社長みずから「自腹を切る」と断言した。そこまでして映画制作にこだわるのには、銚子電鉄が抱える深刻な事情がある。

   同社では電車の運行に必要な変電施設の老朽化が進み、そのまま放置すれば電車の運行ができなくなる。施設の修繕には最低でも1億円の自社負担が必要だが、沿線人口の減少などで厳しい鉄道経営を迫られている同社が簡単に捻出できる金額ではない。

   そこで考え出したのが、映画制作だった。低予算映画を作り、ヒットして多くの興行収入を得られれば、変電所の修繕に充てられる。そうすれば電車運行上の支障がなくなる。

   竹本社長は取材の最後に、

「電車を止めさせないために、"電車を止めるな!"をつくるんです」。

と熱い思いを語った。

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