企業ツイッター「中の人」を「勝手に擬人化」アカウント 担当者卒業宣言で引継ぎはどうなる?
「【お知らせ】デジカくん1号ことデジカ氏は2019年4月26日(金)を持ってTwitterから卒業することとなりました。令和からは2号と3号がTwitter担当となりますので、変わらずに絡んでいただけましたら幸いです」
2019年4月2日、POP広告制作会社「プラスマインド」(東京都国立市)のグッズ部門公式アカウント「デジカくん@COMIC1量産なう」の運用担当者が卒業を発表した。いわゆる「中の人」界隈では衝撃が広がっており、面識のあった多くのアカウントが別れを惜しんでいる。
毎月13点前後の「ラフ絵」、色を塗ってツイッターに投稿
同アカウントは企業の公式ツイッターアカウントを運用する、通称「中の人」をアイコンやツイートなどのイメージをもとに「擬人化し、イラストを描く」取り組みで知られてきた。実際、18年11月から19年4月1日までの間に「中の人勝手に擬人化」というハッシュタグをつけて57点のイラストを作成。自社ではなく、他社のツイッターアカウントを自由なイメージでキャラクターにしている企業は、確認した限りだと他に例がない。
J-CASTトレンドは冒頭の卒業宣言前、「デジカくん@COMIC1量産なう」を運用するプラスマインド社の商品部社員に電話取材を行っていた。なぜ中の人を擬人化して描こうと思ったのか、こう教えてくれた。
「趣味で小学生の頃からイラストを描いており、仕事が忙しくなると『絵を描きたい』と創作意欲が湧いてきます。18年11月ごろ、突然『企業ツイッターの中の人のイラストを描いたら面白いのではないか』とネタが浮かび、面識のある中の人に許可をもらって描いたのが始まりでした」
昨年12月4日、「擬人化されたい企業公式」をツイッター上で募集したところ約40社からリプライ(返信)が寄せられた。以降、毎月13点前後、家で「ラフ画」を描き、会社で業務の合間に色を塗ってツイッター上に投稿していた。
またイラストを描く際の工夫については、こう答えた。
「実際に会ったことがない中の人を擬人化する時は所属企業や仕事内容、アカウントのアイコン、普段のツイート内容から複合的にイメージを作っています。中の人と実際に会ったことがある場合は、似顔絵を描くのではなく、あえて性別を逆転させてみたり、実際に会話した内容から得られるイメージを膨らませたりしながら描いています」
「擬人化イラスト」の引き継ぎは...
電話取材に応じた担当者は、19年4月26日をもってツイッター運用から卒業する。その後は「2号」と「3号」という愛称で呼ばれる「新人2人での運用を予定している」と明かし、「今までのようなコミュニケーション重視の運用ではなく、イベントの告知など情報発信を中心とした運用となるかと思います」と話した。
「擬人化イラスト」の引き継ぎについては「現状、考えていない」。ただ、やはり継続した方が良いと社内で判断された場合は、業務として「1号」こと前出の担当者が、または新人の「3号」が担当する可能性があるそうだ。ただ、更新頻度は1月に1枚程度となるのではないかという。
なお「#中の人勝手に擬人化」シリーズイラストはツイッターの「モーメント(1、2、3)」にまとめられており、過去作品を自由に閲覧できる。