【センバツ】開幕戦から延長試合!「市立」対決は市立和歌山が制す!
3月23日、第91回高校野球選抜大会(以下、春の選抜)が始まった。平成最後の大会ということもあり注目を浴びている今大会は32校が出場。紫紺の大優勝旗を目指し、熱戦が繰り広げられっることになる。その初日、開会式直後の第1試合は市和歌山高校と呉高校の「市立」対決となった。
曇り空で肌寒い阪神甲子園球場だが試合は初回から動く。1回表を無失点に抑えた市和歌山高は先頭の山野雄也がいきなり二塁打。2番の下井田知也のバントが安打となり無死一、三塁とチャンスが拡大する。3番・緒方隆之介のあたりは三塁真正面の平凡なゴロ。三塁走者は三塁がバックホームせず、二塁送球したのを確認してからスタート。5−4−3の併殺となったが、市和歌山が1点を先制する。
先制点がほしい市和歌山、1点を与えたとしても走者を残したくない呉高校の思惑が一致したかのような展開となった。
市和歌山高校は2回以降も毎回のように走者を出す。しかし、あと一本がなかなか出ず追加点を奪うことができない。追加点が入ったのは5回。1死から山野が四球で出塁すると、下井田が安打で続き1死一、二塁。ここで緒方が三遊間を破る適時打を放ち山野がホームイン。初回は得点になったものの、併殺打に終わっていた鬱憤を晴らすかのような一打で貴重な追加点を奪った。
なおもチャンスはつづく。2死後に米田航輝が二塁横を抜ける中前打を放ち3点目かと思われたが、沼田歩が好返球。クロスプレーとなったがワンバウンドで捕手のミットに収まりタッチアウト。最少失点で食い止めた。
一方の呉高校は市和歌山高校先発の岩本真之介に苦しめられる。なんと6回まで1本の安打も放つことができない。アウトのほとんどが内野ゴロとなり、打球が芯を喰わない。迎えた7回、1死から真野倭が死球で出塁すると、秋山達紀は内野ゴロに倒れるが走者は二進。2死二塁となったところで池田駿がついに待望のチーム初安打を放ち、1点を返すことに成功する。岩本の87球目だった。
8回裏、市和歌山高校は2死一、二塁のチャンスを作るも牽制で二塁走者が刺され、追加点は奪えない。
そのまま試合は進み迎えた9回表、1死から5回に好返球を見せた沼田が三塁打を放ち1死三塁と同点のチャンス。つづく真田和弥がスクイズを決め試合は振り出しに戻る。春の選抜は第1試合から、延長戦へと突入することになる。
10回は両チーム走者を出すことができず、試合は11回へ。11回裏、市和歌山高校は1死から山田佳吾がこの日3本目の安打で出塁。処理がもたつく間に二塁へと進み1死二塁とサヨナラのチャンス。2死後にここまで無安打だった片上柊也が中前に弾き返し二塁走者が生還。バックホームはあと一歩及ばなかった。
この結果、3対2で市和歌山高校が勝利した。
(記事:勝田聡)