テレビ信州「9年越し」公式ツイッター始動 どうして今?明かされた「内幕」
「はじめまして、テレビ信州です。突然ではありますが、きょうから公式ツイッターをはじめます!」――。2019年2月7日、日本テレビ系列のテレビ信州(長野県長野市)公式ツイッターがこう宣言した。
投稿を見ると、地元・長野の風景をバックに公式キャラクター「マイチャン。」を映した写真や、同局が放送する番組情報などを紹介している。ただ、プロフィール欄にあるアカウント取得年は「2010年4月」。なぜ9年も経った今、アカウントを始動させたのか。
「つぶやき始める機会を失っていました」
J-CASTトレンドはテレビ信州にメール取材を試み、編成部社員と公式ツイッターアカウントの配信担当者から、2月16日に回答を得た。
「(ツイッターが)今後重要なツールになるという予測のもと、まずアカウントを取得し、その後良いタイミングで始めていくつもりだったらしいのですが...、気付けば1度もつぶやくことなく早9年。全国のテレビ局や他企業がツイッターを始めて話題になっているのを横目に見つつ、つぶやき始める機会を失っていました」
編成部社員は、9年間の「沈黙」の背景についてこのように説明した。ただ、日本テレビをはじめ系列局によるユニークなSNS展開がここ数年ますます目立つようになったこと、一昨年テレビ信州がスタートさせた「LINE@」公式アカウントの運用が軌道に乗ったことを受け、「今後の総合的な広報展開を考えるうえで、公式ツイッターアカウントは不可欠」だと、運用を始めるタイミングを本格的にうかがっていたという。
そんな折、昨春の人事で編成部に、プライベートでツイッター利用経験のある若手30代社員が入った。そこで、2月9日に放送されたテレビ信州の年に1度の大型イベント連動番組「冬の祭典2019」に合わせ、この社員を担当者として運用を任せてアカウントを始動させることにしたのだ。
注目するのは「テレビ金沢」
担当者本人は取材に対し、フォロワー数の増え方やインプレッション(ユーザーがツイートを見た回数)が私用のツイッターアカウントとは全く違い、少し戸惑いも感じている心境を明かした。ただ一方で、嬉しい変化もあったと話す。
「番組・イベントに関する発信もさることながら、長野県に根差す放送局としては、ツイッターを通じて『信州の魅力』を県内外に発信していきたいと考えています。そのためには文章だけでなく写真も重要です。最近は、購入したてのデジタル一眼(レフカメラ)と『マイチャン。』ぬいぐるみを持って出かけていますが、これまで以上にまわりの風景を意識するようになっており、自分でも信州の魅力を再発見するきっかけになったと感じています」
また、既存の全国の系列局アカウントの投稿を参考に運用しており、同じ日本テレビ系列の「テレビ金沢」を注目アカウントとして挙げた。「とても個性的だと感じています。最近でも企業川柳や漢字の抜き打ちテストなど、ユニークな発想が刺激的で勉強になります」。
今後は「系列局アカウントとコラボ企画が実現できたら面白いと思っている」と希望を述べた。