大学ラグビー「平成の優勝ゼロ」の関西勢 天理大は「平尾誠二の同志社大」以来となるか
平成最後の「全国大学ラグビー」選手権決勝が2019年1月12日、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。初戴冠を目指す天理大―22年ぶりの優勝を狙う明治大というカードだ。
最後の優勝は昭和59年、世の出来事はもはや「歴史的事象」
40代の記者も、小学3年からラグビーをはじめ、大学、そしてクラブチーム、また取材や編集...と、30年以上にわたって楕円球を追いかけてきた。当然、大学選手権も毎年のように関わってきたわけだが、ふと気になったことがあった。
天理大が勝てば「悲願の初V」となるわけだが、はて...? その前に優勝した関西勢のチームって、どこだっけ...?? となかなか思い出せず、調べてみることにした。
まずは、こちらの表をご覧いただきたい。
※1985年度(慶応義塾、明治)、1988年度(大東文化、明治)は決勝戦で同点のため両校優勝
今季、前人未到の「V10」を目指した帝京大だったが、準決勝で天理大の前に涙をのんだ。また歴代最多優勝を誇る早稲田大も「永遠のライバル」明大の前に惜敗した。
注目すべきは「平成の間は、常に関東勢が優勝している」ということだろう。2011年に天理大が決勝へ進出したが、帝京大に3点差で敗れている。そこで、時代をさかのぼっていくと...あった! 1984年(昭和59)に同志社大が優勝している。
...って、これは紛れもなく「Mr.ラグビー」として知られ、惜しまれながら2016年にこの世を去った平尾誠二さんが率いたチーム以来ではないか!
因みに1984年のあれこれを調べてみると、
【出来事】
★1万円札(福沢諭吉)、5千円札(新渡戸稲造)、千円札(夏目漱石)の新札発行
★グリコ・森永事件に日本中が震撼
★ロサンゼルス五輪開催
【新商品&ヒット商品】
★携帯CDプレーヤー「ディスクマン」をソニーが展開
★「私はコレ(小指を立てて)で会社を辞めました」の「禁煙パイポ」
★「カラムーチョ」(湖池屋)、「コアラのマーチ」(ロッテ)
【音楽】
★「涙のリクエスト」、「哀しくてジェラシー」、「星屑のステージ」(チェッカーズ)
★「十戒」、「北ウイング」、「サザン・ウインド」(中森明菜)
★スリラー(マイケル・ジャクソン)
もはや「歴史的事象」と言っても過言ではないものばかりだ。
明大も「21世紀」は1度も優勝していない
天理大の話題ばかりだと、明大ファンに怒られそうなので、名門「紫紺のジャージ」軍団にも触れておこう。明大は、同選手権で12回の優勝。「重戦車」とも称される大型FW(フォワード)を前面に押し出す「パワーラグビー」で歴史を作ってきた。
関東大学ラグビー対抗戦グループの「雄」であり、早明戦や慶明戦になると、秩父宮ラグビー場が「紫紺のジャージ」を身にまとったファンで埋め尽くされる。
そんな明大も1996年度以降は22年、優勝から遠ざかっている。最後の優勝で決勝を戦った相手が、早大だった。
22年前...ん? 待てよ?? それって、筆者が早大ラグビー部4年だった時以来ってことじゃないか!!
忘れもしない1997年1月15日(1996年度)。ケガなどの影響もあり、筆者はスタンドで、仲間たちから「歓喜の雄たけび」が上がることを必死に祈っていた。ところが、明大の「重戦車FW」の前に、早大は防戦を強いられる...。結果、自陣ゴール前で反則を犯してしまい、認定トライを許してしまった...。
その夜、仲間と酌み交わした「涙割の酒」は、20年以上たった今でも忘れることはない。
とにもかくにも、平成最後の「決戦」の時は来た。今秋、開催される「ラグビーW杯日本大会」を迎えるにあたり、両校による最高のゲームを期待したい。
(J-CASTトレンド編集部 山田大介)