任天堂「寛大」著作物ガイドライン公開 非営利なら「ゲーム実況」認める
任天堂は2018年11月29日、インターネット上での著作物に関するガイドラインを発表した。同社が販売するゲームの画像や動画をユーチューブなどの共有サイトに投稿する場合、営利目的でなければ「著作権侵害を主張いたしません」としている。
SNS上では、今回の対応を「任天堂、本当に偉大な会社だなと思う」「ゲーム配信者にとって朗報」と評価する声が相次いでいる。
創作性のない配信は「ご遠慮ください」
ガイドラインは、ゲームのプレイ動画を配信する「ゲーム実況(配信)」と呼ばれるジャンルを対象としている。
これまで任天堂のゲームを使って配信する場合、同社のプログラム「Nintendo Creators Program」に登録し、投稿者は収益の一部を支払う必要があった。しかし18年11月29日にプログラムは廃止され、あわせてガイドラインが発表された。
個人が非営利でゲーム配信をする場合、ガイドラインを順守すれば任天堂側は著作権侵害を主張しない。収益化も、一部の動画投稿サイト(ユーチューブ、ニコニコ動画、OPENREC.tv、Twitch、フェイスブック)であれば問題ないとしている。
ただし、「お客様の創作性やコメントが含まれない投稿や任天堂のゲーム著作物のコピーに過ぎない投稿はご遠慮ください」とも明記し、該当する場合は法的措置も検討する。
「クッパ姫」は問題なし?
ガイドラインのQ&A欄では、いわゆる「ファンアート(イラスト)」を例に出し、「ゲーム実況(配信)」以外の二次創作物にも触れている。
任天堂の「スーパーマリオ」シリーズに登場するキャラクターを女性化した「クッパ姫」というファンアートが18年9月、SNS上で話題となった。イラストが多数投稿されたり、同人誌の販売イベントが企画されたりするなど、爆発的な勢いで人気が広がった。
一方で、「権利侵害ではないか」との指摘も少なくなかった。クッパ姫は「グレーな存在」とされてきた。
「Q&A」では、こうした二次創作物はガイドラインの対象ではなく、「各国の法令上認められる範囲内で行ってください」としている。