【激アツ!Tリーグ観戦記】水谷が、丹羽が、張本が...世界レベルの対決 間近で観戦「Tリーグ」が熱い

   卓球の新リーグ「Tリーグ」の男子公式戦が2018年11月24日、東京・渋谷区の青山学院大学で行われた。

   この日の対戦カードは、水谷隼選手、張本智和選手を擁する「木下マイスター東京」(ホーム)と、丹羽孝希選手がプレーする「琉球アスティーダ」(アウェー)。第3戦は、水谷選手対丹羽選手の、リオデジャネイロ五輪日本代表対決となった。2100人を超える満員の観客がハイレベルな打ち合いに息を呑んだ。

水谷隼選手(木下マイスター東京)VS丹羽孝希選手(琉球アスティーダ)
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珍しい?丹羽選手が大きくガッツポーズ

   「Tリーグ」は今年10月に開幕した。現在4チーム中首位を独走中の木下に、第1試合のダブルス(2-0)、第2試合のシングルス(3-0)とストレート負けしたリーグ最下位の琉球。ファンの期待はエースの丹羽選手に集まった。

   結果的に3-1で接戦を制したのは、丹羽選手。始終落ち着いた様子だった。試合後のインタビューで「足を使えた」と話していたように、ラリーを得意とする水谷選手に対し、丹羽選手は自身がフォアハンド、水谷選手がバックハンドで打つ状況を自ら作り出し、打ち負かした。

   一方がスマッシュを打っても、それを相手が打ち返し、互いに卓球台から1~2メートルほど離れて打ち合う場面も多々もあった。ときおり選手が球を追いかけて、卓球台を囲むように置かれた観客席との境目にあるガードにぶつかりそうに......。

   コーナーにいいボールが決まっても、声を出さずに小さくガッツポーズをしていた丹羽選手。試合後は客席に向かって、こぶしを高く掲げた。「(ガッツポーズは)今日は友だちが見に来ていたので、勝ったらやろうと決めていた。それができてよかった」と試合後のインタビューで笑顔を見せた丹羽選手。一方で、水谷選手はベンチに戻ってから悔しそうな表情を浮かべていた。

張本智和選手が見事に通訳

   第4戦を勝利した木下は、最終結果3-1で開幕から負けなしの6連勝を飾った(翌25日に初敗戦)。試合後は中国出身の邱建新(チュウ・ジェンシン)監督が、観客の前で勝利インタビューに応じた。邱監督の言葉を、横にいた張本選手がすぐさま日本語に通訳し始めると、会場のあちこちから笑いがこぼれた。中でも、Tリーグの会員登録と木下のサポーター登録(無料)を呼びかけたときには、ひときわ大きな笑いが起こった。

   出口に向かう張本選手を待ち受けていたのは、サイン色紙や卓球道具を持った数十人を超えるファンだ。張本選手は慣れた様子で、スタッフに促されるまでサインに応じていた。

   この日の試合前には、両チームの所属選手が各自数個のサインボールを客席に向かってラケットで打ったり、投げ込んだりしていた。

初心者も参加しやすい応援スタイル

   J-CASTトレンド記者が観戦した場所は、卓球台から5メートルほど離れたカメラマン席で、一般客が座るアリーナの最前列とほぼ同じ距離だ。試合中は打球音、選手の息づかいや雄叫びがよく響き、自身のカメラのシャッター音さえも気になるくらいに静かだ。ときおりラリーが長く続いたり、スマッシュが決まると、「おお~!」と観客が沸いた。それでも、選手がサーブを構えると観客はシーンとなり、会場全体が緊張感に包まれた。

   ファンは、試合中は静かだが、プレーの合間には「ここ大事だよ」「もう1本」「Go!Go!水谷」といった声援を送った。また、試合開始前と2試合目終了後には、現役女子大生によるアイドルグループ「カレッジ・コスモス」と、お笑いコンビ「上々軍団」のさわやか五郎さんによる応援レクチャーがあった。こうした催しは、ホームチーム側の特権だ。

   ホーム側の観客にはあらかじめ木下の応援フラッグが配布されており、ファンは応援歌に合わせてそれを振り、選手の名前を順番に呼ぶ。応援歌はキャッチーかつシンプルで、選手の順番は直前でさわやか五郎さんがマイクを使って教えてくれるので、初心者でも参加しやすいように感じた。

   観戦チケットはスタンド(2階席)の自由席であれば、1000円~2000円。Tリーグは男女ともに「直近2シーズンで世界ランキング10位以内の選手をチームに1人以上入れる」というルール規定があり、手頃な価格で世界トップクラスの選手の試合を見られる。

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