あのファッション誌「リンネ」じゃないよ 出版社が明かす表紙デザインの秘密

   宝島社のファッション誌「リンネル」の誌名を「リンネ」だと勘違いしている人が、インターネット上で見つかった。表紙では毎号のように「ル」の文字がその号の付録の紹介で隠れ、「リンネ」と見えるからだ。

   「ル」の扱いが気になる――。宝島社に「真相」を聞いた。

「リンネル」12月号(宝島社)
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「表紙をよく見ていただくと...」

   「リンネル」の誌名の勘違いについては、過去にもツイッター上でたびたびつぶやかれていた。2018年10月29日に情報番組「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)が同誌を大きく取り上げ、再び注目を集めた。放送直後、ツイッターでは「リンネという雑誌名だと思っていた」といった書き込みが散見された。

   J-CASTトレンド記者は11月2日、宝島社の広報担当者を取材。「誌名をそれほど重視していないのではないか」と率直な疑問をぶつけてみた。

   当然、そんなことはなかった。

「タイトルも大切に思っています。表紙をよく見ていただくと左上に小さく『リンネル』と入っています」

   実際、リンネルは毎号表紙の左上に「リンネル○月号」と誌名を入れている。だが、小さいため気づかない人も多いようだ。今回の反響を受けて、次号(2019年1月号)からこの表記を「もっと大きくしたいと思います」と話した。

   また10月30日には、宝島社の公式ウェブサイト「宝島チャンネル」の公式ツイッターで、「ル」のフォントのみの画像を投稿した。表紙から消えることが多い文字だからなのか。これには「笑ってしまった」という人も多い。

   前出の担当者は「来年は表紙にも"ル"が登場するかも。ご期待ください」と、今後に含みを持たせた。

「ル」を見せられないワケ

   だが、付録の紹介の位置をずらせば、簡単に「ル」を見えるようにも思える。宝島社がその措置をとらないのはワケがある。

   宝島社は全13誌を刊行しているが、一部の例外を除き全誌の表紙には「上から12センチの法則」がある。表紙の上から12センチ以内にタイトルと付録を配置するルールだ。その理由を、

「2007年ごろ、『書店で棚ざし(編注・棚に本を並べる陳列方法)されると付録が見えない』との意見が社内の会議で挙がりました。そこで、棚ざしでも雑誌付録を確認することができ、より手に取ってもらいやすいデザインにしました」

と前出の担当者は説明した。

   リンネルは2010年の創刊号の「ル」も一部隠れているという。それでも、読者の関心を集めるために付録の内容を表紙の上部に示すには、致し方なかったというワケだ。

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