食の未来を豊かにするデザインを研究 武蔵野美大生が「集大成」発表
調理家電ブランド「ブラウンハウスホールド」と武蔵野美術大学(東京都小平市)は、産学協同プロジェクト「ブラウンハウスホールド大学」を2018年9月3から10月22日まで開講した。
プロジェクトに参加した武蔵野美術大学の学生たちは授業の集大成として、10月26日にプレゼンテーションを行い、ブラウンハウスホールドのグループデザインディレクター、デュイ・フォン・ヴー氏から講評を受けた。
フォン氏が伝えた「自由な発想」の大切さ
「ブラウンハウスホールド大学」のテーマは「10-15年先の人々の暮らしを豊かにするプロダクトデザインとサービス提案」で、「食の未来を豊かにするプロダクトデザインやサービスのアイデア」が求められた。学生たちは8週間の準備期間を与えられ、特別講師であるフォン氏から、定期的にビデオ会議を通じて指導を受け、ゼロから構想を練り上げたという。
学生たちのプレゼンテーション後、講評に立ったフォン氏は「プロジェクトにかかわっていくなかで、オブザーバーとしてこれまで見てきたが、学生それぞれでコンセプトが異なり、どれもユニークだと感じた」と語り、
「将来のことを考えるときには、考え方がオープンでなければならない」
との言葉を贈った。
台湾の母の手料理を日本で「再現」できるツール
受賞式で最優秀賞「ブラウンハウスホールド大学賞」を獲得したのは、台湾からの交換留学生、チェン・ユーウェンさん。彼女が提案したのは、一人暮らしをしている人が実家の「母の味」を再現できるように料理を手助けするキッチンツール「MoCo」だ。実家の母親が料理を作ると調味料の量や火加減などの調理データが、おにぎり型の「コントロールセンター」というデバイスを介してユーザーに送られる。ユーザーは調理データに基づいて、母親の手料理を再現できる仕組みだ。
授賞式後にJ-CASTトレンドの記者が個人インタビューを行い、「アイデアの発端は何だったのか」と尋ねると、チェンさんは
「私の友人や、私自身の置かれている状況から着想を得ました。私は母親と離れて日本で一人暮らしをしているので、時々母親に電話して『これ、どんなふうに作ったらいいの?』と実際に聞くことがあります。そうした経験を踏まえて作り出したプロダクトです」
と時折日本語を交えながら、通訳を介して英語で答えてくれた。