トランプ大統領への審判は? 2年後の再選を占う中間選挙


   米国の中間選挙が11月6日(2018年)に実施される。4年ごとの大統領選の中間の年に行われる議会選挙だ。トランプ大統領への信任投票でもあり、2年後の大統領選の行方を占う試金石といわれる。「アメリカ第一」「メディアとの対決」「貿易戦争」――トランプ流政治はどう評価されるのか。今回は中間選挙をキーワードにアメリカン・デモクラシーの基本的な考え方や政治の実態を紹介する。

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大統領当選を的中したアナリストが予測


   『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ 奇妙な権力基盤を読み解く』(著・渡瀬裕哉、産学社、1620円)』は、トランプ大統領当選を的中させたアナリスト・渡瀬裕哉氏が中間選挙、米国大統領選までの未来を予測し、日本への影響と対応策を提言する。

   2016年からトランプ政治を1年ごとに読み解く。トランプ大統領が当選した本当の理由も明らかにしている。中間選挙の今年は選挙情勢を分析し、過熱する貿易戦争と複雑に絡み合う「対イラン・対北朝鮮」政策の論理と構造を説明する。19~20年はトランプ大統領再選を見据え、4つのシナリオを深掘りしている。

   最後に「日本の対米外交戦略は変わるのか――2020年 大統領選に向けた提言」として、日本は米国の政局に振り回されていると指摘し、二重・三重の対米外交チャネルを構築せよと忠告する。

米国の民主政治の基本的な考え方


   米国の政治はどう動いているのか。『アメリカ政治講義』(著・西山隆行、筑摩書房、886円)は、歴史・制度・文化、国際比較など多様な視点から考察し、米国の民主政治の基本的な考え方を解説する。

   米国の時事問題に関する著作は数多いが、表面を追うだけでは米国政治を本当に理解することはできない。事例を参考に特定の見方にこだわらず、多角的な背景から分かりやすく説明する。これから学ぼうとする人たちにとって最適な入門書だ。

   第1章の「アメリカの民主政治」から「大統領と連邦議会」「連邦制がもたらす影響」「二大政党とイデオロギー」「世論とメディア」「移民・人種・白人性」「税金と社会福祉政策」「文化戦争の諸相」と幅広くアメリカ政治を解説している。

既存メディアを「フェイク」と批判する権力者


   フェイクニュースとは、虚偽の情報でつくられたニュースのこと。トランプ大統領は既存メディアを「フェイクニュース」、「国家の敵」と激しく批判する。トランプ大統領と親しい安倍首相にも似た共通点がある。「メディアへの敵意」を剥き出しにした権力者が今なぜ出現してきたのか。

   『権力者とメディアが対立する新時代』(著・マーティン・ファクラー、詩想社、994円)は、日米の報道現場に精通したニューヨーク・タイムズ前東京支局長のマーティン・ファクラー氏が権力者とメディアの関係を解き明かす。

   内容は「『フェイクニュース時代』のアメリカメディアの変質」「トランプと既存メディア、激化する闘いの真相」「トランプ政治はどこへ向かうのか」「安倍とトランプ、『メディアへの敵意』という共通点「メディアと権力者の未来はどうなるか」の全5章。「真実」さえ揺らぐ時代に、いかに正しい情報を得ればいいのか。これからのメディアリテラシーを説く。

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