大地震は明日にも起こり得る 今一度おさらいしよう「防災の心得」
東京都は災害、防災に関する知識の普及・啓発を目的としたイベント「防災展2018」を、2018年10月13日・14日にわたって開催した。
J-CASTトレンド記者は14日、同イベントを取材。防災システム研究所所長の山村武彦氏に、地震大国・日本に住むうえでの「防災の心得」を聞いた。
「近い将来地震が起きると思っている人は多いが...」
同イベントは、災害救助犬訓練の実演やはしご車体験、VR(仮想現実)防災体験など、来場者が防災について身近に考えるきっかけを提供する目的で、東京臨海広域防災公園(東京都江東区)一帯を使って実施された。
日本損害保険協会のブースを訪れると、家族連れのほか、若い男女の姿も多く見られた。同協会によると、防災や地震保険にまつわるクイズに挑戦する「謎解きアトラクション」は、連日大いに賑わっているとのこと。
同ブースで、山村氏を取材した。今年、日本は6月の大阪府北部地震、7月の中・四国を中心に被害をもたらした西日本豪雨、9月には台風21号に北海道胆振東部地震と、立て続けに大きな災害に見舞われた。山村氏は北海道地震発生の1週間前、札幌市で防災の講演を行った際にアンケートを採った結果、「近い将来地震が起きると思っている人は多いが、明日起こるとは思っていない人がほとんど」だったと話した。こうした実態に「明日、大地震が来ると思って、自分のためだけでなく家族のために備えてほしい」と警鐘を鳴らした。
では、具体的にどんな準備をすればいいのか。
食糧の備蓄、「安全ゾーン」の確保、地震保険への加入
まずは、食料。山村氏は「インフラ復旧まで、最低1週間分は必要」だと指摘した。「3日分くらいあれば」と考える人もいるが、それだけでは不足なのだ。
次に、「安全ゾーン」の確保を訴えた。転倒落下物が少ない、閉じ込められない場所のことで、山村氏はそのひとつに「玄関」を挙げた。玄関は比較的狭い空間で物が少なく、柱の本数が多いからだ。いざというときには外へ脱出できる。こうした「安全ゾーン」を家族で共有しておけば、非常時に助かる確率が高くなる。
「お金」についても言及した。「家を建て直すためには、地震保険への加入が大きな備えになることは間違いない」として、「転ばぬ先の杖であり、地震が起きてからでは意味がない」「せっかく命が助かっても、その後の生活を支えるお金がないと生活再建には時間がかかる」と加入を勧めた。
最後に、山村氏は防災について、「防災はマナーだと思ってしっかりやってほしい」と強調した。あらかじめ備えをして「被害者にならない」、自身が火災などを起こして「加害者にならない」、災害時に近所の人が困っていたら助けて「傍観者にならない」との三原則を唱えた。