『モダリーナのファッションパーツ図鑑』急きょ絶版に 読者から著作権侵害の指摘で
2018-10-12 12:00:00
デザイン関連の書籍を手がける出版社「マール社」(東京都文京区)は2018年10月10日、刊行していた書籍『モダリーナのファッションパーツ図鑑』に著作権侵害の恐れがあるとして、公式サイトで謝罪した。
発売からわずか1週間ほどだったが、絶版も決定。同社は「(権利者から)訴えられてはいないですが、不適切な作成方法ということになるので販売を止めました」と説明している。
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出版社担当者が取材に応じた
『モダリーナのファッションパーツ図鑑』は、「フィッシュテイル」(東京都武蔵野市)が運営するファッション情報サイト「モダリーナ」の内容を書籍化したものだ。
同サイトは、ファッションに関する用語がイラストとともに並ぶ。例えば「スカート」の欄だと、「フレアスカート」「キュロットスカート」と細分化されていて、それぞれの特徴が紹介されている。サイトでは「トレンド先取りや、服飾、デザイン、キャラ設定やコーディネートのアイデア出しにも是非ご活用ください」と説明している。
18年10月3日には、フィッシュテイルの代表を務める溝口康彦氏を著者として書籍化されたが、イラストの一部に著作権侵害の疑いがあったとして10日に絶版となった。11日現在、サイトのイラストもすべて非表示となっている。
マール社の担当者は11日、J-CASTトレンドの取材に、権利侵害は読者からの指摘で発覚したという。
「(溝口氏からは)写真などの資料を集めてそれを参考にオリジナルのイラストを作っているとの説明でしたが、指摘をもとに著者に調査を依頼したところ、実際は元の写真の一部をトレースしたイラストがいくつか見つかりました」
「別の書籍としてまとめ直すことができれば」
絶版の判断については、こう説明する。
「こちらも悩んだのですが...。(権利者から)訴えられてはいないですが、不適切な作成方法ということになるので販売を止めました」。
権利者への対応は、「(権利者から)何も言ってこられていないので対応のしようがないです」「(溝口氏も)イラストの作成方法に問題はないと思っていたので、元になった資料は記録していない」という。
マール社のウェブサイトに掲載された謝罪文では、
「著者の意図したデータベースの発案そのものは大変有用性の高いものであると今でも確信しております。当社としては、できればいつか問題のない形で、別の書籍としてまとめ直すことができればと願っております」
と書かれている。