職場に目指したい上司「いない」約6割 入社半年・2年目社員の意識調査
日本能率協会(JMA、東京都港区)は2018年10月5日、全国の入社半年・2年目を迎えた社員400人を対象とした意識調査の結果を公表した。
対象は中途採用・パート・アルバイトを除いた、全国の20歳~29歳までの勤続年数が3年未満の就業者。回答者400人を属性別に見ると、勤続年数1年目と2年目がそれぞれ200人ずつ、また男性が141人、女性が259人だ。
目標にできる人の有無が転職意向に影響?
まず、「現在の職場内に、目指したい上司、目標にしたい人はいますか」という問いについては「いる」が43.0%、「いない」が57.0%と、「いない」が14ポイント上回った。
この設問で「いる」と回答した群と、「いない」と回答した群とに分け、現在の転職意向について比較。「転職することは考えていない」 という回答は、職場内に目標にしたい人が 「いる群」では57.6%、「いない群」では38.6%と、19ポイントの差があった。「いない群」に絞って見ると、現在転職活動をしている・転職を検討しているとの回答合計が6割を超えている。
日本能率協会では、「目指したい、目標にしたい」と思える人が職場にいるか否かが、若手社員の転職意向に影響していると分析している。
職場に留まるかぎはプライベートと人間関係
では若手社員が転職せず、職場に留まる理由はどういったものか。「現在の職場を辞めず、在籍している理由に最も近いものをお聞かせください」という問いに対しては、「プライベートを充実させられる環境のため」と「人間関係が良好で伸び伸びと働けているため」が18.8%で同率1位となった。
また、現在の仕事内容や会社組織に対する満足度についても調査した。仕事内容について「とても満足~やや満足」と回答した人は61.5%、会社組織について「とても満足~やや満足」と回答した人は52.0%と、どちらも半数を超える結果に。一方、「とても不満~やや不満」と回答した人は2割超で、現状に満足していない若手社員も一定数いた。
日本能率協会のKAIKA研究所所長、近田高志氏は調査結果を受け、以下のようにコメントしている。
「『人生100年時代』とも言われ、一生を一つの会社に勤めるのではなく、一人一人が様々な成長の機会を追求していくという働き方は、今後、ますます増えていくものと思われます」 「しかし、せめて、その職場で働いている間は、会社の目的に共感し、自分なりの成長目標を持つことができ、働きがいを感じることができる。そのような職場でありたいものです」