多忙な教師の働き方を考える 参加型ワークショップ「NITSカフェ」

   独立行政法人教職員支援機構(NITS)は2018年7月30日、「教師の働き方改革 -多忙化の改善に向けて-」と題した参加型ワークショップ「NITSカフェ」キックオフセミナーを開催した。

「NITSカフェ」キックオフセミナー
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「定時退庁日」や「ノー部活デー」で負担軽減

   8月2日付の発表資料によると、教員や校長、教育委員会、教職大学院、民間企業などから約60人が参加し、全国各地で実践された教員の多忙化改善の取組みの事例共有と参加者によるワークショップを行った。文部科学省初等中等教育局の佐藤人海企画官と東北大学の青木栄一准教授による講演が行われた。

   佐藤企画官は、教職員等の標準職務が、各教育委員会の学校管理規則に適切に位置づけられるよう支援すること、コミュニティー・スクール等の設置を促進していくことなどを説明した。

   青木准教授は、現在の学校を「職場」、教職員を「社会人」として検証すると、勤務時間を把握していない、ICT(情報通信)技術の活用が進まないなどの課題が浮かんでくると指摘。業務改善の事例として、定時退庁日やノー部活デー、事業者への業務委託や学校運営支援本部の設置といった取り組みを説明したという。

実情を踏まえた意見交換も実施

   ワークショップでは、参加者による現場ならではの本音が聞かれ、実情を踏まえた意見交換も実施された。多忙化の改善に向けて、以下のようなアイデアが出された。

「部活動を週休2日になかなかできないのは、休むと負けるのではないかと思っているから。(中略)短時間で成果を上げている事例を共有するとよい」
「先生たちは子供たちのためなら、と頑張ってしまう。教育の質を下げずに業務削減できるよう、業務アシスタントを雇用するなど、新たな対策が必要」
「保護者の理解が必要。理解獲得のためには、学校単位ではなく、教育委員会と連携して進めることが不可欠」

   「NITSカフェ」は2017年からNITSが行っている参加型ワークショップ。教員の養成・採用・研修を担う「大学・教育委員会」と、「一般の現職教員・学校・地域・民間企業」などが集い、教員の資質向上に関して意見交換する。今年は60か所で開催予定だ。

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