学校の理不尽さに苦しむ子どもたち 「ブラック校則」
2018-08-03 01:30:00
東洋館出版社(東京都文京区)は、 評論家の荻上チキ氏と教育社会学者の内田良氏による編著「ブラック校則 理不尽な苦しみの現実」を、2018年8月4日に発売する。
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非合理的でセクハラ同然の指導
17年、「黒髪・ストレート」という校則に基づき、生まれつきの茶髪を黒染めにするよう強要され、精神的苦痛を受け不登校になった高校生がいた。裁判にまで発展したこの事案を契機に、「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」が発足。荻上氏はスーパーバイザー、内田氏は協力者だ。
調査では「女子生徒の下着の色を指定・検査・没収」「約10kgの荷物を小学生に毎日持たせる」「寒さ・暑さ対策や日焼け止めの禁止」など、数々の理不尽な校則が全国に存在することが明らかになった。18年7月には愛知県豊田市の小学生が熱中症で亡くなった。校内のエアコン未整備や暑さ対策が注目されたが、「通学中の水分補給は不可」など、非合理的な制限が課されている。社会ではおかしいとされるはずの規則が、学校では当然とされているのは珍しくない。「理不尽を学ぶのも学校」といった理屈で理不尽なルールを運用し、また「痴漢対策」として下着の色チェックなどセクハラのような指導が行われているのだ。
隠れた社会問題として注目される「校則問題」を、全国的な調査結果や具体的な事例を用いて紹介。個別の問題点に対応できるよう、子どもの貧困支援や弁護士などの専門家、当事者としての保護者・教師、学校の指導で子どもを亡くした遺族など、11人が現状を分析し改善を提言している。
価格は1620円(税込)。