異様な存在感放つ「まぼろし博覧会」 館長を取材したら超楽しい人だった

「入館して5分で精神破壊を起こすと評判の、静岡にあるまぼろし博覧会に行ってまいりました。ここはだめだ。完全に現世と切り離されている。ここはだめだ」

   投稿されたのは、静岡県伊東市にあるレジャー施設「まぼろし博覧会」の一部内観だ。写真では何とも言えないビジュアルのオブジェたちが、異様な存在感を放っている。6月17日に投稿されたこのツイートは、6月19日正午の時点で7万件超のリツイートを獲得し、話題を呼んでいる。J-CASTトレンドは、「まぼろし博覧会」を電話取材した。

「まぼろし博覧会」入口
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コンセプトは「キモ可愛い」

   「まぼろし博覧会」公式ウェブサイトの各ページには、「まぼろし博覧会」の下に小さく、「キモ可愛いパラダイス」「キモ可愛いの楽園」「アホとボケの楽園」と書かれており、何やら怪しげな様子。敷地面積は甲子園球場や東京ドームのグラウンド(約1万3000平方メートル)と同じくらいだという。ユーザーからは、

「伊豆高原辺りにありそうな雰囲気(あの辺よくわからない美術館みたいなの乱立してるから)」
「恐そう。お化け屋敷とはまた違う怖さがある」
「3回も行ったせいか、かなりやられました!笑」

といったリプライ(返信)が寄せられた。精神的に響きそうな世界観から、2006年公開のアニメーション映画「パプリカ」を連想する書き込みも散見された。

自らセーラー服や人魚姫姿でお・も・て・な・し

   J-CASTトレンドは2018年6月18日、館長(通称・セーラちゃん)に取材をした。

   「まぼろし博覧会」を作ったきっかけについて、

「『ここは何ですか』と聞かれても、何でもありすぎて答えられないですが...。世の中にはいっぱい面白い物があるが、(いずれは)すべてがなくなっていく。昭和の家具や茶わん、新聞の折り込みチラシまで、現実の社会にあったものは全部集めたいと思って始めました。(日常で目にする)普遍的なものから、(あまり見かけない)極端な物まで。たとえ経済的な価値がなくても、見るのであれば100万円の茶わんよりも100年前の茶わんの方が面白いでしょ」

と説明した。展示物は「元祖国際秘宝館」から引き取った物をはじめ、「大型トラック100台分はあるんじゃないか。数えきれない」ほどのようだ。観覧者は年間約3万人で、若い女性を中心に人気を集めていると話す。

   館長自身も、「名物」のようだ。3年ほど前からセーラー服の着用を開始したのだが、当時「会うと幸せになれる」と話題になっていた、「セーラー服おじさん」が来館したことがきっかけだと明かした。のちにセーラー服に飽きたことから、現在では「ボディコン」、「人魚姫」などさまざまなコスプレで来園者を楽しませている。

「(『まぼろし博覧会』は)『癒し』と言ってくれる人もいる。(自分が)気持ち悪いくらいかわいい格好をして、お客さんに喜んでもらえるのが最高に気持ちいい。もちろん、人に迷惑をかけない範囲でね」

   強烈な見た目は裏腹に、「お客さんに笑って帰ってもらえるのが最高」と熱く話す館長。8月13日から15日には、館長と遊べるイベント「真夏のキモ可愛い文化祭」を開催する。

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