センバツ高校野球「21世紀枠」の是非再び 出場3校の相手は強豪校、実力差に不安も
第90回選抜高校野球大会(センバツ)の組み合わせ抽選会が2018年3月16日に行われ、地区予選を勝ち抜いてきた「猛者たち」の対戦カードが決まった。
「21世紀枠」からは3校が出場を果たしたが、この枠については例年同様、今年も厳しい声が挙がっている。
昨年は21対0の悲劇
2018年3月23日に開幕する第90回センバツ。明徳義塾(高知)、智弁和歌山(和歌山)といった名門校に加え、乙訓(京都)、明秀学園日立(茨城)など初出場が10校ある。
21世紀枠からは、膳所(滋賀)、伊万里(佐賀)、由利工(秋田)の3校が選ばれた。同枠は01年のセンバツから新設され、都道府県の秋季大会において一定の成績(参加校が129校以上の都道府県はベスト32以上、それ以外はベスト16以上)を残していること、さらに学業と部活動の両立、地域への貢献、部員不足などの困難の克服など、さまざまな条件を考慮して決定される。
21世紀枠をめぐっては過去に、力量不足を理由に批判が集まることがあった。
1年前の89回大会では、同枠で出場した多治見(岐阜)が報徳学園(兵庫)に21対0とワンサイドゲームで敗れ、ネット上では、
「もう21世紀枠考え直す時期に来たんじゃないの?」
と、枠を疑問視する声や廃止を望む声が少なくなかった。
<参考:「センバツ野球、21対0の結果に『21世紀枠を廃止しよう』の声」(J-CASTトレンド17年3月21日記事)>
今年の3校の選出理由は何だったのか。また、実力はどうか。
伊万里は春連覇を狙う大阪桐蔭とぶつかる
1回戦で日本航空石川(石川)と対戦する膳所は、59年ぶり4回目のセンバツ出場だ。
理数系に重点を置く「スーパーサイエンスハイスクール」に指定された進学校で、野球部にはデータ解析専門の部員がいる。秋季大会では8強に進出し、文武両道が評価されて甲子園の切符を手にした。
春夏通じて初の甲子園出場が決まった由利工は、地域活動が高く評価された。秋季東北大会準々決勝で花巻東(岩手)に4対2と惜敗したものの、最速142キロ右腕の佐藤亜蓮投手を擁す。初戦では甲子園常連の日大三(東京)に挑む。
積極的な地域交流や学業との両立が選考の決め手となった伊万里。同校も春夏通じて初の甲子園だ。135季ぶり出場の九州大会では、古豪・沖縄尚学(沖縄)との初戦で8対0と涙をのんだ。センバツでは、春連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)といきなりぶつかる。
「21世紀枠の必要性がわからん」
抽選結果を受け、ツイッターでは「21世紀枠の存続が問われるような結果にならなければ良いが・・・全て地区優勝校が相手」と、試合結果を心配する声が多数寄せられ、
「近年の甲子園でこれほど実力差のある対戦はありえない。21世紀枠の初戦全滅確実もうこれを機会に止めよう、21世紀枠」
「選抜の時期になったら毎年思うんやけど21世紀枠の必要性がわからん」
と批判的な意見も上がっている。
一方で、
「この強豪に対して選ばれた3校がどのように立ち向かっていくのかが興味深いです」
「世間の予想を覆す良い試合を期待している」
と、試合が待ち遠しいとするファンもいる。
21世紀枠は17年のセンバツまでに45校が出場し、最高成績は宜野座(沖縄)、利府(宮城)のベスト4。しかし、ここ数年は1、2回戦止まりが多い。
今年の3校は、「外野の声」をはねのけ満足のいく結果は残せるか。注目が集まる。