【震災7年 明日への一歩】「いいね」で復興支援の寄付 フェイスブック
未曽有の大災害となった東日本大震災から、きょうで7年となる。
この日を迎えるのに先立ち、フェイスブックジャパン(本社・東京)では2018年3月1日、「震災復興コミュニティサミット」を同本社で開催した。
過去に大震災に見舞われた地域に
「サミット」では、フェイスブックジャパン代表の長谷川晋氏が、フェイスブック上での「いいね」やコメント、シェアといった「エンゲージメント」に応じて、10万エンゲージメントを上限に1エンゲージメント10円を寄付するプロジェクトの開始を発表した。
対象となるのは、「くまもと友救の会」(熊本県益城町)、「つながろう なみえ」(福島県浪江町)、「阪神淡路大震災1.17希望の灯り」(兵庫県神戸市)の3団体で、寄付金や物資、広告支援という形でサポートする。各団体がある地域では、熊本地震(2016年4月)、東日本大震災(2011年3月)、阪神・淡路大震災(1995年1月)に見舞われ、大きな被害が出た。いずれの団体も現在、震災復興のため地元で活動を続け、フェイスブック上から積極的に情報を発信している。
東日本大震災をきっかけに生まれた機能
フェイスブックではこれまで、有事の際に活用できる機能を拡充してきた。コミュニティーの再構築と復興を支援する目的で作られたのが「災害支援ハブ」だ。このひとつが「セーフティチェック(災害時安否確認機能)」。利用者本人が被災地にいる場合、フェイスブック上で安否を知らせることができる。
同社公共政策部長の山口琢也氏は「サミット」の席上で、この機能を開発したきっかけは東日本大震災だと明かした。当時、米フェイスブックでインターンをしていた日本人学生が、日本に住む友人の無事をなかなか確認できなかった経験からすぐに試作版を開発。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が聞きつけ、「これこそフェイスブックが貢献できるところだ」として、本格開発につながった。
もうひとつ「コミュニティヘルプ」がある。利用者間で支援の「要請」と「提供」の両方をつなぐものだ。画面上で、衣料品や食べ物、避難場所、情報といったさまざまな支援カテゴリーのうちどれが、どれだけ必要かを投稿内容から確認できる。画面で支援を求めている、あるいは提供できるという双方を見ることができ、刻々と変化する情勢に合わせて情報も頻繁にアップデートされる。
山口氏によると、「セーフティチェック」はこれまで全世界で1000回を超える災害時に起動され、のべ30億人以上が無事を報告しており「世界の中でも根付いた機能となっています」。日本でも2016年8月以降、14回起動された。17年10月の台風21号では、数百万人の日本人が無事報告のため同機能を活用した。